第782話 飴舐三太郎

レビューをいただきました!!

ありがとうございますっ!!

嬉しすぎてびっくり仰天いたしました。

これからもまだまだ、まだまだ頑張りますのでこの拙作を末長くよろしくお願いしますm(_ _)m

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 こいつらは何か特殊な訓練を受けているのか? と思うほどそれぞれの仕事のスピードが早かった。歯垢帝が指示を出した後に、瞬く間に各自で戦闘スペースを作って戦い始めていた。


 もう、気づけばこの地下のスペースがただの阿鼻叫喚の地獄絵図となっていた。


「おーい、俺たちとやらない?」


 俺は後ろから声をかけられた。そこには三人組がいた。


「ヘヘっ、お前強そうな見た目してるけど、キャリーしてもらったんだって?」

「実力がない奴はより強い奴の下につくしかねーんだよな」

「お前は俺たちより弱い、だから俺らの傘下に入りな!」


 ……なんか絡まれたぞ、おい。大中小赤青黄色、信号か? ってか、これって一対一のバトルロワイヤルじゃねーのか? 三人一組がありならまた話が変わってくるだろう。


 でもまあ、勝たせなければいいだけか。それに、ここは一応、いやガッツリ魔王城だ。ここで手加減して倒されて城が攻略扱いにされたら笑えない。


 俺が勝ってもこいつらは傘下にほしくは無いが、軽く揉んでやろう。見たところコイツらそんなに強くなさそうだしな。


「いいぜ、いつでもかかってこいよ。三馬鹿野郎」


「あぁん? なんだとぉ!?」

「俺たちを怒らせちまって、」

「タダで帰れると思うなよ!」


 うむ、息はピッタリなんだな。だけどさー。たまたまなんだけど俺の配下にも三人一組がいるんだわ。そしてそいつらはお前らよりもよっぽど強いし、怖いぞ?


「ぷぎゃ」

「ぼへっ」

「ごずぅ」


 え、よっわ。武器とかスキルとか一切使わずに勝てたんですけど? え、ちょっと弱すぎませんか? 思ったよりも何十倍と弱かったぞ? ってか、どうやってコイツらこの強豪クランに入れたんだ? コネか? それとも俺みたいに色々と偽ってここに入れたのか?


「太郎、コイツ強いっすよ!」

「んなことは分かってる。だが俺たちの方が強い、行くぞ二郎!」


 目の前の三人組は俺に吹っ飛ばされたのにも関わらず、それにめげずに立ち向かってきた。そのメンタルはすごいとは思うが、なんか違うんだよなー。なんかこう、覇気というか、さっきも言った怖さが足りない。


 しかし、三人組の一人が発した言葉で俺の気持ちは大きく揺らぐこととなった。


「おう! いくぜ魔法連携!」


「「「朝三暮四!」」」


 声を揃えたと思えば、三人が一気に赤いオーラに包まれた。どうやらバフ系の効果みたいだな。


 って、そんなことより、魔法連携ってなんだ!? ちょー気になるんですけど!?


 それって俺でも、俺たちでもできるのか? こんなふざけた奴らができるくらいなら俺らもできるよな? なあ?


 まず帰ったら即堕天使たちに覚えさせてやり方を確立させたら俺もすぐさま習得しよう。従魔一人一人と連携を構築しても面白そうだな。今までは協力技といえば人魔一体くらいしかなかったからテンション爆上げだぜ!


 貴重な情報提供、サンキューな三馬鹿!


「「「う、うぅ……」」」


 三人は既に地面に伏して伸びてしまっていた。ん、何でこんなことになってるかって? それはな、俺が分割思考で相手をしてやったからだよ。


 もちろん、スキルと武器は使ってねーから安心しろよ?

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