第763話 自覚の無い蛇と死んだ目をした蛙
レビューを頂きました!!
ありがとうございますありがとうございます!!
本当に嬉しいです!お陰でまだまだ頑張れます!!
これからもこの拙作をよろしくお願いしますm(_ _)m
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今回、とても重要なことが明らかになった。
それは、魔王軍諜報部隊(一人)の戦力が著しく弱い、ということだ。
諜報員なのだから戦力はそんなに要らないとはいえ、それでも道端に歩いているようなスケルトンにやられていてはこの先が思いやられる。
それに、最後に己を守れるのは俺でも無く、精鋭部隊でもなく、自分自身なのだからな。
そんな感じの話を死んでしまったメガネくんにすると、とても落ち込んでしまっていた。
い、いや別に責めてる訳じゃないんだぞ? ただ、戦力はあった方が良いよね? って話をしてるだけであってだな……
「貴様が弱いのに軍に雇ったのは私だ。だから、貴様が気に止む必要はない」
俺の視界に入っているメガネくんは更にダメージを食らったように何度も額を地面に擦り付けた。い、いや俺が悪いっていう説明をしたんだぞ? なんでその謝罪スピードが加速するんだ?
「それに、これからは私が責任を持って貴様を強くしてやる。だから安心するのだ、貴様を即解雇という訳ではない」
メガネくんは一瞬、光が差したような顔になったが、再びまた暗くなってしまった。
え、俺なんか気に障るようなこと言った? 言ったんならどれがそれに当たるか教えてくれよ、なぁ、なぁ?
おっと、少しオーラが暴走してしまったようだ。メガネくんだけじゃなく、ここにいる従魔全員が萎縮してしまった。
「ゴホン、と、兎に角、今日から一旦諜報活動を中止し貴様の戦力拡大に努めることだ。やり方はこちらで指定する」
「は、はい……」
彼はカクン、と糸が切れたように力が抜け、まるで心ここに在らずといった感じだ。何故そこまで絶望しているのだろうか、根っからの諜報活動大好き人間なのだろうか?
実際、このメガネくんは過去に一度役に立っているという実績があるからな、そんな簡単に手放したくはないのだ。
それに俺に絶対的な忠誠を持ってくれているようだし、プレイヤーでこんなにもある意味信頼できる存在も他にいないだろう。
だからこそしっかりと教育して使えるようにして、また活躍してもらうのだから安心して欲しい。強者しか手に入らない情報というのは確実に存在するだろうからな、うん。
まあ、現代でいう金持ちだけのコミュニティとかあるよね、っていう話だ。俺は超ド庶民だからただ憧れてるだけかもしれないが。
だが実際に訓練するとなると、基礎的なことを一からというのは少し時間がかかりすぎるからなー。俺としても早く諜報活動をしてほしいのだ。
あ、そうだ。
「よし、今日から毎日従魔と戦え。一日に五十回死んだらその日の訓練は終わりにしていいからな」
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