第758話 セイギ
ハーゲンの心臓? ハーゲンの名が刻まれたアイテム。ということはまだハーゲンはこの世界にいるということだ。このアイテムを通じて引き留められているということだ。
ならばやることは一つしかない。
俺は全てをかなぐり捨て、今まで自分が何をしていたのかもすら忘れ一目散に駆け出した。俺が向かうべき場所はただ一つしかない。
「爺さーー
ガコッ、ドシーン
ってて、ここに来るのも久しぶりだからこの仕掛けがあるのもすっかり忘れてたな。それよりも、
「おぉ、久しぶりじゃn
「爺さん、この心臓を見てくれないか? これは俺の大切な人で絶対に何がなんでも生き返らせたいんだ。頼む、お礼に悪魔の心臓はたんまりと持ってきてある! だから、頼む!」
「お、落ち着くのじゃ。一旦、落ち着くのじゃ。急に来たと思えば慌ただしいのう。それよりも心臓を見て欲しいじゃと? しかも生き返らさる為に? はっきり言って生き返らせられる可能性は限りなく低いからの? それを承知した上での話なら見ても良いじゃろう」
「あぁ、もちろんだ。良いから早く見てくれ!」」
「せ、せっかちじゃのう。そんなに慌てんでも儂は逃げんわ」
わざわざアイテムを残すってことは絶対に蘇生できるってことだから逆にそっち方面は心配していない。もしかしたら蘇生可能受付時間みたいなものがあったら大変なんだよ。いよいよ取り返しがつかなくなる。
「ふむ、少し時間がかかりそうじゃから体を休めておくのじゃ」
そう言われてどのくらいの時が過ぎたのだろうか。休めと言われた体は全く休まることなく、ただただ時が徒に過ぎて行った。その時はあまりにもゆっくりで、誰かが時間の概念を引き伸ばしているんじゃないかと思うほどだった。
「お主」
「はっ!」
「どうやら、この心臓を使って生き返らせるには新鮮な元の体と、新鮮な魂が必要なようじゃ。それも、相当な数がな」
「どのくらい必要なんだ?」
「ざっと、百ずつじゃろうか。その百体からこの心臓に合うものを厳選することで蘇生が可能であるらしい」
「体に関しては前世と同じ種族のものを、魂に関しては誰のもの良いってことか?」
「あぁ、そうみたいじゃの。そして制限時間はこの心臓を取り出してから四十八時間以内じゃろうな。もし、本気で蘇らせたいなら急いだほうが良いかもしれん」
「分かった、そうするよ。ありがとう爺さん、お礼はここにたくさん置いておくから、じゃ!」
「全く、せっかちなやっちゃのう」
❇︎
蘇生条件が分かった。これは大きな一歩だ。あとはただひたすらに前進するだけで良いのだから。まずは、スワンプコンドルを百体狩る。狩られる方からしたらたまったもんじゃないだろうが、許してくれ、こちらにも深い事情があるんだ。
「ふぅ」
終了。初めて会った時から苦戦してなかったから、今の俺じゃ相手にもならなかったな。
そして次は魂だな。俺は無駄な殺生は好まない。なら死んでも構わない奴らを殺して回れば良いだけだよな? ……俺の為に犠牲になってくれ、プレイヤーたちよ。
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蘇生条件大変すぎだよと思われた方、正解です。
これは一度従魔にしたのならば大切に扱って欲しいという運営からの願いが込められております。また、本当に大切ならこのくらいできるよね?という意味でもあります笑
決して愛護団体に屈し(殴
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