第756話 怒り
「おうおうおう、人間の分際で我に歯向かおうとは、先ほどの獣と同じく低脳であるのだな。いやはや、同じ畜生だから当然のことか」
無限の魔力を際限なく使い筋力を肥大化、膨張させていく。それに応じてはち切れそうになる筋肉を魔闘練気を使って押さえ込み、同時に筋肉の質も上げる。
これ以上魔力を注ぎ込むといよいよ不味いという段階まで到達して少しした後に魔力を止める。体が膨張しすぎてただの肉団子のようになってしまった。
「クハハハハ! 畜生にはお似合いの無様な姿d
グチュッ、ズドーンッ!
「五月蝿イ」
相手の頭をを潰すように、拳をめり込ませ、壁際までぶっ飛ばした。
あ、因みにこの戦況を見ている俺は分割思考の俺だ。本体の俺が滅多に使わないから、意識を失った時用の最低限自我を保つようにしか使われてないのが本当に不服だが仕方がない。
しかも、本人はそれも自分がやったことのように感じているから尚更だ。
「ほう、畜生の分際で我に拳を向けるだけでなく、うるさいなどと愚弄するとは……いいだろう。そこまで死にたいのならば仕方がない。我の本当の姿を見せてやろう! これでおm
ズドーンッ!
再び殴りつけて今度は反対側の壁まで吹き飛ばした。筋肉が膨張しているおかげで威力もさることながら、移動速度も異常に上がっている。
「お、おい! 人が喋っている最中だぞ! これだから畜生は……だが私の本当の姿を見せれば貴様などうm
そのスピードによって一瞬で敵の元に近づき再度殴りつける。今度は後ろに壁がある状態でそのままだ。
ズドーンッ!
本体は意識がないから人の話を聞くこともない。ただただ怒りによる闘争本能飲みで動いているような状態だ。まあ、それが今は功を奏しているんだが。
「くそっ、畜生如きが私の邪魔をするでな
ズドーンッ! ズドンッ、ズドーンッ!
まるで敵に変身させないよう、攻撃し続けているかのようだ。まあ、実際はただただ殴りつけているだけなんだけどな。それでもひたすらに、ただひたすらに攻撃とも呼べない殴打を繰り返している。
「くっ、クソっ、こっ、このっ!」
シュンッ、敵の姿が消えた。まるで瞬間移動のように。振り向くとそこには悪魔が立っていた。
「まさかここまで手こずらされるとはね。だが、貴様はもう終わりだ。何故ならもう本来の姿に戻っているのだからな!」
ドクンッ
大きな鼓動が聞こえたと思ったら、その瞬間悪魔の姿が大きく変貌した。その姿はまるで今の俺自身のように、肥大化した姿だった。
しかし、そこには元の貴族風な人間の面影はなく、大きな筋肉をつけたただの魔物のような悪魔の姿であった。
ーーー称号《怒り狂う者》を獲得しました。
《怒り狂う者》‥怒りが臨界点を迎える。スキル【憤怒】を取得する。怒りの感情がある時、自我を保ちにくくなる。
——————————————————
遂に手を出してしまいました……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます