第749話 以外、意外
戦闘を見ていた俺は、不安になり、安堵しそして、不憫な気持ちになった。
まあ、とにかく二人が無事で良かったし、無事勝てて安心した。
それにしても今回の戦闘でも新たな発見があった。まず、スカルとボーンは最後にゾムと位置を入れ替えたのだが、自分たち以外とも場所の入れ替えができるのは知らなかった。
確か、前はできなかったことだと思うのだが、どうなのだろう。
あと、新発見というか再確認というか、ゾムが相変わらず強かったな。結構な質量のはずである敵の悪魔があの小さい体に収まったということを考えると、もしかしてスライムとは虚無なのかもしれない。
お、二人とも帰ってきたみたいだな。ん、なんかゾムの青い体が少し黒ずんでいるいるように見えるのだが気のせいだろうか、元からこんな色だったか? まあいいいか。
『二人ともお疲れ様、まずは【慈愛之雨】よし、大丈夫だな』
『『ありがとうございます』』
うん、ちゃんとお礼が言えて偉いな。ゾムは……きっと感謝しているはずだ。
『そういえば、最後の方ゾムと入れ替わっていたように見えるが、二人同士以外とも転移できるようになったのか?』
『『はい、二人同時に全く同じ座標に転移することでできるようになりました。結構タイミングがシビアで私たちでも偶に失敗することがあるくらいです』』
『そ、そうか。凄いな、ちゃんと強くなってくれているみたいで俺は嬉しいぞ』
俺がそういうとスカルとボーンは顔の表情に翳りを見せた。
『『まだまだです。今回の戦いでそれをはっきり痛感させられました。もっとご主人様のお役に立てるよう、精進して行きます!』』
翳りを見せていたが、最後は俺への宣言になるとともに力強い表情へと変わっていった。戦いに負けてもないのにも関わらず、自分で課題を見つけ出し更に強くなろうと努力する。
ウチの従魔はなんて素晴らしいんだ。俺自身も見習っていかないとな。
『あ、そうだ。少し気になっていたんだが、最初は二人だけで戦っていただろう? そして途中からゾムを使って圧勝したと思うんだが、使おうと思ったきっかけはなんだったんだ? 自分たちだけでは無理だと思ったのか?』
『それは……そうですね。自分たちだけでは確実に火力がないと実感させられたのが一つの要因ではありますね。ですがそれだけではありません。その時はまだ私たちだけでどうにか攻略できないかと考えておりました』
『しかし、その時、なんとゾム君から念話があったのです。僕もいるよ、と。その声に反応するように私たちは転移しただけです』
ちょ、ちょっと待て。色々ツッコミどころがある。まず、お前らゾムのこと君付けで読んでるのか?
い、いや、別にそれがダメってわけじゃないが、少し意外というか、俺の中でゾムはゾムでしかなかったから少し意外というか、まあそんな感じだ。
そして次がより大事なことだな。
ゾムって念話できるの!?
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