第733話 新たなピンク色の勢力


「お姉さま、今日は急に呼び出して何かあったのですか?」


「あらイチゴ、もう来てくれたのね。うふふ、そうね今日はイチゴに伝えたいことがあったの」


 今日は私の妹、イチゴをある目的の為に呼び出したわ。目的と言っても大したことでもないですがね。


「伝えたいこと、ですか?」


「えぇ、折角ですからこのゲームをもっと楽しみたいと思ったの。そしてイチゴも随分強くなったみたいだから一緒に行動するのはどうかしら、と思って今日はイチゴに声をかけたのよ」


「と、ととと、ということはお姉さまとパーティーを組む、ということですの!?」


「えぇ、そういうことよ」


「う、嬉しいですわ! ありがとうございます! 私も必ずお姉さまの役に立ってみせるですわ!」


「ふふふっ、期待しているわ」


「は、はひっ」


 はひ、ですって。相変わらず可愛らしいわね。でも、これで漸く共に攻略を進めていくことができるわね。私はこの時をどれほど願っていたことか……


「あ、あのー」


「ん、どちら様ですの?」


「あら、可愛い子ね」


 そこには一人の女の子が立っていた。全身鎧装備で、武器は見当たらず大きな盾だけを構えている。


「突然話しかけて、すみません。盾使いのハク、と申します。私もちょうど、パーティーメンバーを探していたのですが……」


「あら、そういうことね。こんなに可愛らしい子だったら引くて数多でしょうが、その分大変だものね。よかったらウチに来る? 私とこの子の二人しかいないけど」


「い、いいんですか? お姉さま!?」


 イチゴが驚いてるけど、この子はハクちゃんを疑っているというよりかは、二人で旅ができなくなることを懸念しているんだと思うわ。


「ふふ、大丈夫よイチゴ。この子は女の子なんだしきっと上手くやれるわ。それに、私たちは魔法使いでしょ? こんな立派な盾を構えてくれる子がいたら私たちも安全だわ」


「た、確かにそうですわね……」


 やっぱり少し残念そうね。でも、イチゴが友達を作るのもいいことだと思うわ。この子は少しお姉ちゃん子すぎる節があるものね。


「というわけでよろしくね、ハクちゃん。私はザクロでこの子がイチゴよ」


「ありがとう、ございます。よろしくお願い、します」


 ふふっ、まだ緊張しているみたいね。私からするとイチゴと同年代に見えるし、妹が一人増えたみたいだわ。


 でも、ウチに入ったからにはやることはやってもらわなきゃね。


「じゃあ今から二人にとっても大事なことを教えるわね」


「大事なこと、ですの?」


「えぇ、このゲームでより強くなる為の方法よ。私の強さの秘密でもあるし、私が大会で負けた相手の強さの秘訣でもあるわ」


 まあ、これだけではない感じはしたけどね。


「あの人、ですの!?」


「あの男……」


 あら、二人ともあの人に反応したわね。何かあったのかしら。でも、これで気持ちが入ることでしょう。


「今から二人には修羅の道を歩んでもらいます!」


「「修羅の道?」」

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