第732話 フィトキシン
さあ、この時間がやって参りました。そう、強制進化のお時間です。今日の主役は皆さんご存知の通りデトックス君です!
『準備はいいか、デト?』
『もちろんでございます』
では、早速いきましょう。
「【強制進化】!」
説明しよう、強制進化とは好きな素材を使って自分の従魔を強制的に進化させるスキルだ。ま、名前のまんまだな。
そして、今回使った素材はもちろんヒドラニンニクだ。毒ニンニクの上位互換にしてなかなか手に入らない貴重な素材だ。
あの婆さんが驚くほどだから相当なものなのだろう。その分どれだけ強くなるのか期待は鰻登りだ。
デトは白い光に包まれた。
「従魔: ダークアポストルヴェノマスタートル、個体名:デトックスがダークアポストルヴェフィトタートルに進化しました」
そして、そこから現れたデトは……そんなに変わってはないな。少し色味がより毒々しくなったか?
緑と紫がよりドス黒くなった印象を受けるが全体的なフォルムとしてはそこまでは変わっていない。
種族名も、ダークアポストルとタートルは一緒で、ヴェノマスターがヴェフィトに変わったくらいだ。
マスターよりもフィトの方が上っていう認識でいいんだよな? それともフィトがニンニクを表してるのか?
ま、まあ名前は関係ないよな。デトがどのくらい強くなったか、そこが最重要事項だ。
『どうだデト、変わった所はあるか?』
『はい、そうですね。基本的には変わらないのですが、毒を生成する部分が二つになっていますね。それもどうやら若干違う成分のようです』
ほほう、見た目は変わってなくても中身はちゃんと変化があるのか。毒を生成する場所が二つになることで何がどう変わるんだ?
『二つの毒を使って自分の好きなように毒を配合したり、敵に応じて使い分けたりができるってことか?』
『恐らくそうだと思われます』
なるほど、それはかなり強くなったのかもしれないな。
『気分の方はどうだ? 高揚してたり、逆に体調が悪くなったりはしてないか?』
『そ、そうですね。恥ずかしながら少し気持ちが昂っている、気がします』
そりゃ、強くなれば誰だって気持ちは昂るよな。それがたとえ亀であってもな。
『そうかそうか、なら一緒に狩りにでもいくか?』
『よ、よろしいのですか、カメ? あっ、失礼しました』
おいおい、凄い食いつきだな。しかも滅多に出ないカメ、まで出たし。別に謝らなくてもいいのにな、そんなんで一々謝ってたらアスカトルなんてずっと謝らないといけないぞ?
それに、謝ってる言葉の語尾にもつくから多分無限ループするだろうな。
『謝る必要はない。では、久しぶりの狩りといくか!』
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