第693話 正解はこちら


 ここが受付の人が言ってたダンジョンかー。見た目は特に変わったところはないな。ただ洞窟のような洞穴がある、ただそれだけだな。


 よし、早速入るか。チャチャっと攻略してサクッと稼ぐ、これが今日の狙いだな。


「うぉ!」


 ダンジョンに入ると、早速目の前には金銀財宝が現れた。


 凄い、物凄い量だ。今まで自分がちまちまと依頼を受けていたのが本当に馬鹿らしくなってくるほどの圧倒的なお宝の量、これは全部持って帰るしかねぇ。


 俺は何も深く考えずただ、端から端まで全部持って帰ろう、それだけでこの財宝の山に近づいてしまった。しかし、ダンジョン入ってすぐのお宝に何もないわけがなかった。


 ガブっ、


 俺がお宝を手に取ろうとした瞬間、その財宝の一部がモンスターに早変わりして、俺の手を噛んだのだ。そう、おそらくミミックと呼ばれるものであろう。


 ほほう、我を騙すとはいい度胸だな。だが、一旦、いると分かってしまった以上、対処は容易いぞ?


「【魔王勅命】、貴様ら全員出てこい!」


 俺は王の勅命を使って命令し、全員に出てくるように命じた。このスキルはどちらかというとプレイヤーよりかは魔物、モンスターに効くのかもしれないと思ったのだ。


 すると、わらわらと大量のお宝に扮したミミックたちが現れた。って、え? もうお宝残ってなくね? え、ほぼほぼ全員ミミックってことなの?


 ミミックを全員引き摺り出してわかったことは、あの宝の山は全て虚構で、現実に存在していた確かなお宝は、お椀いっぱい程度もない、金貨だけだった。


 ま、ま、まあこれも俺の資金の足しになるからな。それにまだダンジョンを全然攻略してないのだ、それなのに金貨数枚もらえたことの方がラッキーなのだ、うん。


 よし、全速力でクリアしよう。このダンジョンには一瞬とはいえ期待させられて、落とされたからな。俺も目にもの見せてやる。


 ❇︎


「ギャァあ「五月蝿い、【爆虐魔法】、ナパームボム」ああ……」


「グルゥア「【断罪絶闘】」キャいん……」


「キシャア「【斬法十四手】」


 うん、手応えがまるでないな。鳥型のモンスターは明らかにハーゲンよりも格下だし、狼っぽい敵もアイスよりも全然オーラが足りてないし、蜘蛛っぽいやつはアスカトルに負けてる。


 その他にもたくさんの敵とエンカウントしたが、どいつもこいつも有象無象たちばかりだった。


 もう俺が手を下すまでもない気がするが、ここはあくまでもスピード重視で俺がガンガンいく。


「お?」


 そう言っている矢先に、先ほどまでとは雰囲気の違う扉が出現した。やっとボス戦だろうか? 骨のある敵だと嬉しい限りだ。


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