第686話 工面策
何としてでも取らねばならないスキルが五千万だと!?
この爺さんいよいよぼったくって来てるんじゃねーだろうな? いや、この際ぼったくられているかどうかよりも、このスキルが誰の手にも渡らないことの方が重要だ。
ん、ぼったくっているかもしれない?
「ん、ちょっと待てよ?」
ぼったくり? それには俺にも少し身に覚えがあるな。確かスキルがあったはずだ。よし、まずは先にそれを試してみてからでも遅くはないだろう。このぼったくりスキルは本来こういう場所で使われているはずだからな。
「なぁ、爺さん、五千万ってのは流石にぼったくりすぎてるんじゃないか?」
ここで、脳内再生でスキル発動、【ぼったくり】だ!
「フォッフォッフォ、よもや儂以外にもこのスキルを持っている者がおるとはのう。しかもこれ程までの強者が。じゃが、これ以上は安くはならんよ。お主ならばすぐに稼いでくることができるじゃろ、ほれ、早くいかんで良いのか?」
「なにっ!?」
ここに来てまさかの二度目の驚愕! 爺さんもこのスキルを持ってたのか? ってことはつまり今までは俺はずっと……
いや、無駄な考えはよそう。あくまでぼったくるのはダメ元だ。できなかったらできなかったらで最速最短で稼げばいいだけのこと!
「分かったよ、爺さん。なら少しだけ待っててくれ。もし他の人が売ってくれって言っても絶対に譲らないでくれ。俺が必ず五千万で買いにくるからな!」
「あい分かった」
「ぜ、絶対だからな!」
俺はそう捨て台詞を吐き、一瞬で外に出た。いく宛はもう決まっている。
今までの流れだとお金が足りない時は、普通に依頼をこなして、って感じだった。しかし、今回ではそれじゃちょっと遠すぎる。文字通り桁がいつもと一つ違うからな。
もし俺が、モタモタしすぎてしまったり、たくさん良い依頼がなかったりしたら大変だ。
そこで俺は今回初めて特権を使おうと思う。勝者にだけ与えられた特権、その名も……ギャンブルだ。
まあ、正確に言えばカジノだな。
まだ行ったことないが、情報ではバカラにポーカー、ルーレット、スロットまでもが自由にできるらしい。しかも、通貨は全く一緒、換金とかの手間すら必要ないらしい。
これがまさにVIP仕様だ。
今回、俺が挑戦するのはポーカーだ。一番実力が出るゲームだと思うし、何よりもイカサマがしやすい。
相手はこの世界の富豪たち、お金はたんまり持っていることだろう。
俺のありとあらゆる手段を使って、必ず五千万、勝ち取ってみせる。
待ってろ、五千万、待ってろHP高速再生!!
❇︎
「いけ! 【叡智啓蒙】!!」
これでもらったぁあああ!!
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