第665話 対応に次ぐ対応
全方位対応型となったアシュラの前に、今度は逆にスカルとボーンが苦しめられることとなった。
二人の強みである、転移による攪乱がアシュラの対応によって完全に潰されてしまったのだ。
どこに転移しても攻撃するためにはアシュラの前に現れなければならず、そうすると結局、目の前のアシュラに対応されてしまう。
死角がなくなっただけと言えばそれまでなのだが、それがあまりにも強力で、この状況での最適解だったのだろう。
攻守が逆転し、今度はアシュラが攻めるターンに変わった。六つの手によって絶え間なく繰り出される攻撃に、一気に均衡が崩れたかに見えた。
しかし、スカルボーンの守りは堅かった。
攻撃に関してはアシュラには届かなかったが、守りに徹すれば転双は強い。二人の位置を入れ替えたり、片方に集めたりなど、多種多彩なパターンで翻弄してくるのだ。
アシュラからすると、まるで朧か何かを相手にしているようだろう。
そして、遂に均衡は破られた、スカルとボーンの手によって。それはまさかの方法だった。
アシュラが攻めあぐねた一瞬を逃さず、攻めに転じたのだ。しかも、二体に分裂して。
「えっ!?」
もともと、スカルとボーンは一心同体、二位一体の存在で、自由に一人になったり、二人になったりできる。
だが今回、アシュラに攻める瞬間に、スカルとボーンは更に二人ずつに分裂したのだ。
それに対し、アシュラは全方位対応できる。できるのだが、それはあくまで前後左右の話で、上下にまでは対応していなかった。
しかも、頭上は完全なる死角だった。
アシュラの三体にそれぞれ割り当て、残りの一体が頭上から、攻撃する。スカルとボーンは完全にアシュラを詰ませたのだ。
スカルとボーンの分体は、寸止めの要領で拳をアシュラの頭上で止めた。
「そこまで!」
アシュラを上から見たらどんな感じなんだろうな。対象な図形みたいになってて、どこかの県のマークみたいになっているのだろうか。
何はともあれ、スカルとボーンが先輩としての意地を見せる結果となったな。
こうして、技と力の戦いは技の勝利となって幕を閉じた。
さて、じゃあ次はアイツの登場ですか。その相手は必然的に残っているデトになってしまうのだが、大丈夫だろうか? 荷が重くはないだろうか?
まあ、デトも先輩としての意地を見せられるように頑張ってほしいものだ。
それにしても最弱と最弱を組み合わせたアイツが、最恐になるなんて、誰も予想つかないよなー。
身内相手にはどんな戦い方をするのか、興味もあるが、怖いの方が勝ってしまう辺り……デト、後は任せたぞ。
「次は、デトックスとゾム!」
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