第610話 報せを受けた者(別視点)
今回の登場人物達は556話、557話に登場してた人物です。
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「なぁ、どうするよ、あれ」
「ん、あれか? どうするつったって、選択肢あってないようなもんだろ」
俺は極ロード、短剣使いだ。一応、両手に短剣を持っているから双剣使い、みたいな職業も現れてもいいと思うのだが、中々出てきてはくれない。
「だよなー、ってことは天使側一択かー」
「まぁ、極ロードはすぐ死んだから分かんねーかもしれねーが、あの時の恐怖と怒りって無かったぞ?」
「あぁ、あれか。って、そんなすぐ死んだとか言うなよ、ズドバゴ。お前もタッチの差で死んでたじゃねーかよ」
「ま、まあな。でも、魔王に対する気持ちはガチだ。ライバルを喰われた挙句に擬態されたんだからな。悔しっていう感情もあるくらいだ」
「そうかそうか、でも、あえて魔王側について仲間のフリして、魔王陣営を削りまくるって言うのもありじゃねーか?」
「いやーロード、俺もそれは考えたけどよー、それだと戦終わった後が怖くねーか? いくら怒っているとは言っても相手の方が強いのは確かだしよー。そんな卑怯なことするよりかは直接ぶつかった方が男じゃねーか?」
「まあなー、ズドバゴらしいっちゃらしいか」
「よし、ならもっと経験値稼がねーとな。今までも、あの日から打倒魔王だったが、今回は早速リベンジチャンスがやってきてくれた。タイマン、って感じじゃないが、それでも一矢報いれるならやるしかねーよな、ロード?」
「あぁ、天使がいることにも驚きだったが、敵の敵は味方だからな。盛大にかましてやろうぜ、ズドバゴ!」
「なぁ、ロードー、今思ったんだが、天使にはどうやって参加表明するんだ? 俺、天使の知り合い一人もいないんだが?」
「おぉ、奇遇だなズドバゴ、俺もちょーどそれを考えていたところだ」
「「………」」
「と、とりあえずモンスター狩りに行こうぜ! 強くならなきゃ反撃できないし、天使陣営に所属するのにも強さの最低基準とかあったら笑えないからな」
「だ、だな。そうと決まったらどこ行く? ダークウルフか、サンダーバード当たりか? ちょっと頑張ってもっと強いグレイテストスパイダーとかもありだな」
「んー、ここは魔王を意識して、グレイテストスパイダーにしとくか。ちょっとでも強い奴に勝って、ちょっとでも強くなりたいからな。それにグレイテストスパイダーごとき倒せなきゃ、魔王はキチーだろ」
「そうだな、ならギルドに行って依頼受けてくるわ。ズドバゴはアイテムとか揃えといてくれ。五分後に西側の門に集合な!」
「おう、じゃまた! ってもう行ってやがるし、クソ、ゼッテー俺の方が先に着くっ!」
後ろでそんな声が聞こえてきたが、もちろん先に着くのはこの極ロードだ。
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