第600話 タコ味の天使達

600話ですっ!!!!

ここまで来れたのも読者の皆様のおかげでございます!

ですが、まだまだ「死にたがり」は突っ走って行来ますので(主人公が)、これからもこの拙作をどうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m

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「従魔:堕天使、個体名:イエナイが堕天墨使に進化しました」

「従魔:堕天使、個体名:ミエナイが堕天擬使に進化しました」

「従魔:堕天使、個体名:キコエナイが堕天吸盤使に進化しました」


 ……これはどういうことだろうか。味付けをクラーケンに任せたら、まさか全員別々の味になってしまった。口は毒が入った墨を、目は周囲に溶け込むことができる擬態能力を、耳は吸盤を、獲得したようだ。


 耳だけ、表記上の差が他の二人と比べて二文字もできてしまった。だが、説明に関していえばとてもスッキリまとまっているから、帳尻は取れているはずだ。でも、吸盤ってどんな風に使うんだろうな。


 それと、皆、クラーケンの要素が入ったことで、脚、そう触手も獲得してしまった。


 皆、顔は中性的だから多分大丈夫だろうけど、変な使い方したら、教育する予定だ。我が魔王軍に色気などいらぬからな。


 だがこれで大幅な戦力アップができたことだろう。俺にとってはクラーケンと言えば、そのまま食うイメージしかなかったが、無事、成長させられて一安心だ。


 しかし、これはあくまで能力的に強くなっただけだから、これからはしっかり実戦で強くなってもらわないとな。ほら、今も戦っているはずの先輩たちを見習って。って、


「あれ?」


 戦ってない? カト、ペレ、デトの三人は行儀よく並んで待機している。コイツらは中堅って感じだよな。古参勢ではないが、圧倒的な力でしっかり個性もある。あと、華もあるのだ、見ていて心地が良い。


『って、そうじゃない。戦闘は? 敵の天使たちはどうしたんだ?』


『は、すでに倒しております。敵の雑魚天使を、と言うことでしたので、親玉は放置していたのですが、逃げ出しそうでしたので、捕縛しております。キシャ』


 と、そう答えたのは、ぐるぐる巻きにされた主天使を指先から出た糸で繋いでいるシュカだった。


 おいおいおい、優秀すぎかよ、うちの従魔は。


 何となく、相手も数が多かいからと、こちらも頭数を揃えたつもりだったんだが、、、


 こんなに早く終わるとは、一人でも十分すぎたようだな。まあ、このくらいじゃなきゃだな。三銃士には良い先輩像を見せられたのじゃなかろうか。


『うむ、ご苦労だった。ではアスカトル、捕縛を解除してくれ、コイツらのデビュー戦だ』


『は、かしこまりました、キシャ』


 するすると解けていった繭から現れたのは、なんかさっきと比べてだいぶやつれた雰囲気の主天使様だった。主と名に冠しているのに、酷い有様だな、こりゃ。


「き、貴様ぁあ! こんなことをして許されると思っているのか!」


「うるさい、やれ」


 三銃士は、触手を使って間合いを変幻自在に操り、それぞれの得物を振るっていた。それでもある程度は対応してくる主天使に、耳が吸盤触手で絡めとり、目が墨毒で瀕死に持ち込んだ。あー、口は能力的に隠密向きだな。


「き、貴様ぁ、例え私をここで倒したところで代わりはいくらでもおる。それに、上位天使様が貴様を許すと思うな……」


 最後の遺言を残し、主天使オリベルはこときれた。


 ……上位天使!?

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