第599話 魔王軍の一味
やっベー、恥っっず! 何だよ、魔を統べる者って! カッコつけすぎだろ! いやーこんなことを言ってるってことが誰かに知られたら俺はこのゲームを引退するまであるな、これは、うん。
ま、ま、まあ、俺はロールプレイをしているだけだからな、うん。魔王なんて役についてしまったのだから仕方がない。……頼むから迷走だけはすんなよ、俺。
「ま、ま、魔王だと!? そのような存在は確認しておらんぞ、戯言で我らを揺さぶろうなど、考えが下等であるな!」
なんか、節々にこちら側を見下してくるのが、ムカつく。捻り潰してもいいけどそれだと俺を見下している張本人が何も感じずにおさらばしてしまう。それはダメだ。
罪を償うことは生きている時にしか実行不可だからな。
「戯言、か。ならばこれを見るが良い。でてこい」
そう言って俺しゃさんしたーず、じゃなかった、これは俺が密かに読んでる名前で、えーっと三銃士、そう三銃士を呼び出した。
あ、そうそう、堕天使にした後に、一応それぞれに得物を持たせてある。目が剣で、耳が槍、口が斧だな。そこらへんで買ったものだから俺らが使っているオーダーメイドには劣るが、それは今後の働き次第、ってことだな。
「なっ……!? もしやそいつらはっ!」
天使を監ていると言っていたから、おそらくコイツらの正体にも一瞬で気づいたのだろう。驚きと悔しさと怒りが顔に滲み出ている。
「これで俺が魔王だと言うことが分かって頂けただろうか? やれ」
「クソっ、ふざけるな! 同胞の恨み、お前ら心してかかれぇい!」
あれ、お前が相手するんじゃないの? 戦わせるの? ま、まあいいか。正直あのボスみたいな天使には堕天使ズが勝てるか心配だったからこれは逆に安心できるな。
それと、天使の癖に口悪いな。なんだよクソって、そんなこと言っていいのか?
「あれ?」
思ったよりも善戦してるな、相手が。こっちは堕天使にしているから普通に天使よりかは強いはずだぞ? もしかしてこいつらは天使じゃないのか?
ちょっと待てよ、一旦確認しよう。こいつら三銃士は堕天使にする際に天の声さんから天使ってことは確認している。じゃあ、その時、コイツらを従えていたのは天使よりも上だってことになる。まずはコイツをαと置く。
そしてその次は俺が心臓を奪い取った奴だよな。コイツをβとおく。αとβはどっちが強いんだ? βをちゃんと見てなかったけど、αよりも強いよな、多分。
そして目の前の主天使オリベルは、α、βよりも明らかにオーラが強い。まあそれは自明だとしても、その取り巻き達とβはどっちが強いんだろうか?
でもまあ、堕ちる前の三銃士よりかは確実に何段階かは強いわけか。なら、堕天使になったくらいじゃ勝てないのだろうか?
これはもっと強くしてあげないとダメだな。流石にこのままではやられちゃうし、そもそも魔王軍の一員となったからには、この空中都市を三人で蹂躙できるくらいにはなってもらわなきゃ困る。だって、更にこの上、楽上庭園もあるんだからな。
『三銃士、戻れ。アト、ペレ、デト、ちょっと来てくれ。用事ができた、敵の雑魚天使たちの相手を頼む』
『『『はっ、かしこまりました』』』
よし、三分クッキングの時間だな。今日の素材は堕天使三銃士、味付けは何にしようかなー?
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目、耳、口とはそれぞれ三銃士の各員を表しております。
あと、ちゃんとα、β、取り巻きたち、の強さの順位も珍しくしっかり設定があるので、ご安心ください。
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