第589話 同系統
「では早速次の選定に行っても良いかの?」
「おう、よろしく頼む」
「では次も似たものからまとめていくかのう。この分身と、ぶんしんのじゅつというのは何が違うのじゃ? これは何もしなくても統合されておりそうなものじゃが、まあ良い。選定しても良いか?」
「はい」
「【分身】、【ぶんしんのじゅつ】が統合されます」
ーーースキル【分け身】を獲得しました。
【分け身】‥自身の体の一部を使い、自分の分体を生成する。分体は倒されない限り半永久的に活動する。
えぇ……そっちかー。俺はてっきり分身に影が伴ってくれると踏んでいたのだが、まあ、これでも十分に強そうなんだが、自分の体の一部とか、半永久的、とかちょっと怖いワードが含まれてるのが心配だな。
「どうじゃ、満足のいく結果に、なったかの? まだ続けても良いか?」
「おう、続けてくれ」
「分かった。なぜこうもたくさんの、似た系統でありながらも全く毛色が異なるもの達を取得できるのか、儂にも秘密を教えてもらいたくらいじゃが、言霊と呪言扇動、この二つにするか」
へーそんなスキルあったのか。いやまあ、呪言扇動は最近のだし記憶にギリ残っているが、言霊はいつゲットしたのかすら覚えてないぞ?
でもまあ、確かに言われて見れば、闇視と夜目、分身とぶんしんのじゅつ、言霊と呪言扇動、似てるけど少し違う、というものが三つも続いたな。
俺としては全く持って狙っていないのだが、ほんとなんでこうなったんだろうな。俺も秘密というものがあれば是非とも教えてもらいたい。
「選定しても良いか?」
もちろんYesだ。
「【言霊】、【呪言扇動】が統合されます」
ーーースキル【
【魔王勅命】‥非常に力の籠った言葉を放ち相手の行動を決めることができる。自分の配下であれば完全服従させられるが、支配下にない者に対しては、ステータスの差によって成功確率が決定される。また、相手が状態異常であればあるほど同様に確率は上昇する。
え、なんかこれヤバくね? 前二つもなんかおかしかったけど、これは明らかに何かおかしいよな? 言霊と呪言扇動の二つだけなのに、魔王とか入ってこないだろ普通。もしかして、俺が魔王になったこととか関係してるのか?
「「なぁ、爺さん(お主)……」」
声が被ってしまった、恥ずかしい。いや、それだけでない。これは確実に何か怪しまれている可能性があるな。なんか神妙な顔をしているし。
もし、何か聞かれた時は素直に話してもいいだろう。色々とお世話にもなっているし、NPCだから内緒ということにしておけば情報漏洩もないだろう。
俺は緊張しながら爺さんの発言を促した。
「お主……もしや、魔人か?」
はぇ?
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