第576話 デトの同居人


「ふぅ、いい汗流したなぁ」


 俺は今、達成感に満ち溢れていた。うむ、俺は素晴らしいことをしたんだ。それだけは間違いない。ただそれだけでいいんだ。


 これからは気持ちを切り替えていかなきゃだな。もう、イベントは終了した。皆、浮かれている気持ちも去ったことだろう。ここからは俺も本気で魔王をしに行く。


 その為にはまずはデトの配下だな。デトの周りにどんな奴が似合うのか、悩ましいところではあるが、カメは爬虫類だから、それで固めたいよな。ヘビとか、トカゲとかだな。


 注意すべきなのは、両生類を混同しないことだ。カエルやイモリ、サンショウウオなんかは両生類だから、そこら辺を注意して集めていきたい。


 ❇︎


 よし、これでオッケーだな。一通り爬虫類を集めることに成功した。今回は海馬の所みたいに実力でラインを設けたりはせずに単純な見た目で採用した。それを紹介していこう。


 まずはエントリーナンバ一番、ホワイトスネーク。こいつは一目見た時からビビッときてしまった。なんか、白っていう気品のある体色に鋭い眼光がたまらなかったのだ。


 白い体に黄色い眼がとても映えていて、もう存在が宝石のようだった。これはお持ち帰りだと、即決してしまった。


 ホワイトスネークの方も俺を気に入ったのか、俺に何度もかぶりついてきた。愛情表現がとても大胆で特殊だが、まあそれも悪くないだろう。


 続いて二番は、ヤモリのウォルドープだ。やっぱり、トカゲと言ったらコイツだろ、いや、むしろこいつしか分かんねーレベルだ。


 個人的には結構見た目も好きで推してはいる。壁に貼り付けるという唯一無二の特性も持っているところなんかポイント高いよな。しっかり活躍してもらおう。


 そして、次は特殊スキル持ち繋がりで、カメレオンのファントムタングだ。カメレオンも、正直ずるいよな。結構レアなイメージだし、ユニークスキル持ってるしで、正直羨ましいまである。


 今回見つけたのも偶然みたいなもんだからな。コイツがいるのといないのとじゃまた話が変わってくるからな。デトの層に深みを持たせてくれる存在として、期待している。


 そして、次が最後になるな。そして、そう、これで分かったかもしれないが、もちろん全ての爬虫類をカバーすることはできなかった。


 襟巻きトカゲとか、イグアナとか、無難にワニとかも置きたかったのだが、最後のコイツを入れるとなると、流石にこれ以上は手狭な感じがしたからな、泣く泣くといった感じだ。


 だが、今回、こうしてデトの同居人を集めて分かったことは俺は意外に爬虫類が好きだったということだ。どいつもかっこいいし、ユニークだし、色々魅力的だ。


 よし、じゃあ最後の同居人を紹介しよう、圧倒的暴君にして、もはや爬虫類の域すら超えた存在、ティラノサウルス君です!


 え、デトよりも強いんじゃないかって? いや、まあそこは頑張らせるよ、デトにな。

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