第574話 スカウトwithマジ斬り


 よし、と言うわけで久しぶりに狩りにでもいくか。みんなの階層に配置したい配下の用意と、本気豆腐の試運転を兼ねてのお出かけだ。


 俺はこの外出で必ず豆腐の使い道を見つけてやるんだからな!


 そうだな、まずは海馬の階層だな。水棲生物、主に魚などを捕獲していきたい。


 そして、今回の遠征で注意しなければならないことがある。まあ、注意っていうほどでもないのだが、今回、俺は服従を使わない。捕まえて直に城に持って帰る。


 おそらくそういう俺の従魔たちの取り巻きっていうのは、全部でかなりの数になることが予想される。そいつら全員を服従するのは面倒だし、愛情も注いでられない。


 だったら愛情を注ぐ必要のない関係になれば良い、と言うことで、俺は賃貸人になることにした。そう、あくまで住処を提供してあげる、に止まるということだ。


 まあ、魔王軍参加に入れるということでもあるから、捕まえられたものは光栄だろうな。そして、適当に繁殖させて数を増やしていく。


 プレイヤーが来るまでにどのようになるのかは未知数だが、なんとか体裁は整えられるはずだ。


 ッバッシャーン!


 というわけで入水だ。あまり強そうな奴を捕まえても、そいつで侵入者が撃退されるのはあまり好ましくない。俺の従魔の見せ場がなくなるからな。だから、そこそこの敵を集めるのだ。


 そして、そのそこそこの敵を集める為の方法が、何を隠そう、そう、本気豆腐マジトウフなのだ。


 まずこのスキルを使った後に、俺が剣で斬りかかる。そして、一撃で死んだ奴の種族を採用ということにする。


 このスキルの欠陥として、防御力下げないのだ。つまり、VITがゼロになっても、ある程度の強さがあれば、体力も高レベルであると思うので、一撃で死なないのだ。


 確かに大ダメージに繋がるとは思うが、それで普通の戦闘なら十秒経ってしまうだろう。だからこれをあえて判断基準に使うのだ。もちろん俺はスキル等は一切使わない。思いっきり斬りつけるだけだ。


 ❇︎


「ふぅ」


 こいつで、この海にいる粗方のモンスターは確認しただろう。よし、今の所、一撃で死んだ奴は雑魚モンスターはたくさんいたが、その中で城においても良いと思えたのは、スチールハンマーヘッドシャーク、ビッグマイスシャーク、最後がゴブリンシャークだな。


 因みに見た目を説明すると、スチールハンマーヘッドシャークはそのままハンマーヘッドシャークの頭が鉄になった版で、ビッグマイスシャークは大きな口がたくさんついてるサメで、ゴブリンシャークはゴブリンみたいな醜諫だな。長く伸びたツノみたいな鼻みたいな奴が特徴的だな。


 こんなにサメが多くなったのに他意はない。こいつらが相応しいと思っただけだ。別に個人の嗜好なんかは全く入っていない。


 因みに、こいつらがどのくらいのレベル感なのか、という話でいくと、本気豆腐での一撃、略して、マジ斬りで死ななかったモンスターには、ワイズタートル、ツナミホエール、お馴染みクラーケンとかだな。


 こいつらはただ体力が高かっただけな気もするが、そんなに見た目もカッコよくないので、別にいい。


 よし、これで第一層は完成だな。あ、急いで戻らなきゃ。






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採用されたサメ達の中には、本当に実在するサメが一人います。誰でしょう?

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