第570話 告白!?


『なあ、ハーゲン、今まで他の従魔達に階層を与えて好きなようにしてあげたんだけど、お前はどんなのが良いとかあるか? お前は一番長く俺の側にいてくれているしさ、色々とお世話になったからな」


 ほら、主に輸送とか殲滅とかさ、お世話になったでしょ? 優秀な配下にはそれだけ褒美を与えないとじゃん?


『お前の為ならなんでもしてやるから、どんな階層がいいか教えてくれよ』


『そうっすかー。なんでも良いんすか?』


『もちろんとも、今まで俺が嘘ついたことあるか? ないだろ?』


 多分、だけどな。だって、ハーゲンと何か約束した覚えないし……って、あ、そういえば皆を強化している時にハーゲンだけしてなかったから、その分もあるじゃねーか!


 これは、ハーゲンの望みを最大限に叶えてあげないとな。これは主人としてあるまじきだ。すぐにでも払拭しないと。


『そうっすね! なら、俺っちずっとご主人様と一緒にいたいっす!』


『ん? 何だって?』


『俺っちご主人様の隣にいたいっす! 俺っち達従魔はいつもご主人様の側に入れるわけじゃないっすから、ご主人様がこの城にいるときくらいは一緒に過ごせる時間があれば嬉しいっす!』


『は、ハーゲン……』


 お前、良いこと言うじゃねーか! 俺、感動すらしているぞ? 何だよ、可愛い奴だな。俺の側に居たいってか。


 なるほどな、確かに俺が呼ぶときは何か用事がある時や、褒美を与える時くらいだからな。確かにもっとただただ一緒にいる時間というがもっとあってもよかったかもしれないな。


 それよりも、なんか最近、俺、慕われすぎてねーか? まあ、俺が強くなっているのが原因で、コイツらに自我があるのか、って言われれば怪しいところではあるが、それでもこう、純粋な好意というのは素直に嬉しい。


 胸が温かくなるようで、俺もコイツらに何かしてあげたくなるような、そんな明るい気持ちに包まれる。


『ハーゲン、そうか、分かったよ。お前は俺の隣にいろ、ずっと一緒だ。たまには暇な時に他の従魔も呼べば良いだろう。何より、これからもよろしくな、ハーゲン』


『はいっす!』


 どれくらい昔のことだろう、あの湿原で頭が寒いハーゲンと出会ったのは。最初は言うことを聞かなくて、殴ってしまったもんだな。


 その後も、俺は心のどこかで便利な道具みたいに扱ってしまってたけど、こうして、ちゃんと慕ってくれるなら、俺も可愛がらない理由がない。


 他の従魔達にも愛情を注がないとな。みんなこんな俺を慕ってくれてるみたいだし、俺は最強の魔王になることで恩返しをしたいところだ。


「あ、」


 でも、そうなると、ハーゲンの予定だった第九階層が空いちゃうな、どうしよう……

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