第559話 メインディッシュに採用


 ピロン


 俺がイベント会場から送還されると、運営からメールが届いていた。ちょっとお前やり過ぎだぞ、というお叱りのメールだろうなー。まあ、どうせ自重する予定だったから別にいいけど、と怒られる気満々で早くも言い訳を展開していたのだが、、


 端的に言おう、福神漬けの採用が決定しました。


 どうやらコックさんのお眼鏡にかなってしまったようだ。でも、前々から検討していた、っていうのは嘘だろ、誰が福神漬けに注目なんてするもんか、そんな奴よっぽどの変態だろう。


 まあ、いいや、内容を具体的に話すと、今回のイベントは俺のデビュー戦だった、ってことにするらしい。そもそも国別対抗戦なんてしたら国間の問題の火種にしかならないから、一位を決めるつもりなんてなかった、らしい。


 だから俺に第三勢力を任せて適当に荒らしてもらって、第一回戦のラスト、そう明日に俺が登場してもらいたいらしい。


 本来ならもうとっくに俺が出ている予定だったのに、モンスターの妨害という形で分かりにくくされたからこうしてメールを送った、らしい。


 そして、一応邪神からも言われていると思うのだが、という文言付きで、本格的に人類側(プレイヤー側)との敵対について了承を確認された。普通のプレイができなくなったり、色々制限が設けられたりはするらしいが、その反面色々支援はしてもらえるようだ。


 大きな都制限としては、プレイヤーではなくNPCとして振る舞って欲しいというのがあったりだとか、また詳しい話はイベント後にしてくれるらしい。


 まあ、長々説明したが、とにかく福神漬けに活躍の機会が与えられたらしい。


 そして俺が参加しなきゃいけなくなったようだ。この後はアシュラ、スカルボーン、ハーゲンと古参メンバーが待っていたというのに、お披露目の機会が設けられなくて残念だな。


 あ、メールの追伸に、従魔の方々にも併せての参加願いが書かれていた。どうやら繋がりを示すため、というのと、見栄え、らしい。あ、はい、分かりました。僕だけじゃ見た目に難がありますもんね。だって福神漬けなんだもん、仕方がない。


 というわけで明日から人類の敵として、俺の正式なデビューが決定した。


 はぁ、これから肩身が狭くなるなー。それにイベントとかも普通に楽しめなくなるらしい。こりゃ参ったな。


 でも、滅茶苦茶ワクワクするじゃねーか、滾ってきたぜ、運営のお墨付きまでもらえるだけでも最高なのに、これから支援もしてもらえるらしい。最高すぎる。


 そうと決まれば早速明日の準備しなきゃな。俺のコンディションも整えなきゃだが何より、見た目を綺麗にしないとな。お前には見栄えがない、と言われたのだからな。


 でも、鍛冶屋のおっさんのところに今から行っても新しい装備は無理だろうな、毎回一ヶ月かかるし。


 あ、でもこの装備をもっとカッコよくしてもらうだけなら、そうでなくともアクセサリーとかを作ったり買ったりすればなんとかなるか?


 よし、それなら善は急げだな。


 やっベーめっちゃワクワクしてる、まるで明日遠足にいくみたいな気分だ。お菓子は三百円まで、バナナはお菓子に入りますか?

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