第543話 アルティメット…?
呪言扇動、か。なかなか物騒な名前のスキルだなーおい。字面だけで判断すると、呪いの言葉を使って人を扇動、つまり洗脳するってことか?
強そうではあるが、おいそれと使おうとはならないな。なんか、禍々しいし、それだけにたよるのも何か違う気がする。
ってか、それよりも、この称号の効果にもあるNPCからの好感度ってなんだったっけ? それと、今俺はNPCから好かれているのか嫌われているのかどっちなんだ?
他にも上がったり下がったりと色んな称号があったはずだ。まあ、NPCといっても殆ど爺さんか、婆さんとしか関わっていない気がするんだが、気になったものは仕方がない。
そんなことをふと思いつき、ステータス画面を開いて確認してみた。その結果、このようなことが判明したのだった。
まずはNPCからの好感度が上がっている称号というのが、《悪魔の討伐者》、《頂点に立つ者》、《カリスマ教官》の三つ、そして、逆に下がってしまうのが、《加害者》、《薬物乱用者》、《裏切り者》の三つだ。
見落としがなければこれで合っているだろう。そして、これだけをみると一見、釣り合っていてプラスマイナスゼロになっていそうだが、実はカリスマ教官というのが、好感度をかなり、あげるとあったのだ。
つまり、俺はNPCからの好感度は若干高かったと言うことだ。
しかし、それも今回で終わりだ。狂犯者のスキルが、カリスマ教官の頑張りを無駄にしてしまったからな。
もし、加害者のスキルが消えてくれればプラスマイナス逆転できるかもだが、それの望みは薄いだろう。それに、いつのことだったかも怪しいしな。
ってか、この好感度ってなんなんだろうな。俺の今までのゲームにおいて役に立っているのか? それすらも疑問に思うほど実感がない。
まあ、今までNPC達がほぼほぼ爺さん、一割弱婆さんだからな、わかりにくいっちゃ、分かりにくいんだろうが。他のプレイヤーはその恩恵を感じているのだろうか?
とりあえず今はいいか、海馬の進化を見届けてから、NPC関連の検証を行えばいいだろう。
あ、そうだ、海馬から呼ばれてるんだったわ。早くいかないと。
そういって、海底に向かうと、自分と同じ種族の死体を積み上げた海馬の姿があった。この光景を見ると、流石に可哀想だと少し思ってしまうな。
まあ、その海馬の頑張りにも応えるはべくらしっかりと進化してやらないとな。
『よし、よくやったぞ、海馬。では、今からお前に褒美をやる。じっとしておいてくれ、【強制進化】!」
俺は十体のシーホースドラゴンを素材に、海馬の進化を行った。すると、
「従魔:シーホースドラゴン、個体名:海馬が
ん? 九重落龍? 珍しく種族名も漢字なんだな。もしかして名前に引っ張られたのか? 流石にそんなわけないか、それよりもNPCの検証に……
「ふ、ふはははは! この時を、この時をどれほど待ったことか! 今こそ力を手に入れ、真の姿となった、我の前に貴様など無力と同じと知れ! 塵のように消し飛ぶのだ! 滅びの、」
あ、コイツ進化して調子に乗ってるわ。また、シバかないといけないみたいだな。
『ゾムー、コイツ飲み込んで体の中で遊んであげろ』
ゾムは水中でも難なく活動できる個体でもある。海馬の発作は進化による一時的なものであろうから、これで大人しくなるだろう。
もう、二度と変な気を起こさないで欲しいものだな。ゾムに取り込まれているのは見ているこちらも気分が悪くなるのだから。
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