第542話 共犯者?


『なあ、海馬、お前どんな風に強くなりたいか?』


 ちょっと今回からは従魔自身に直接聞いて見ることにした。今まで、俺が勝手に進化の方向性を決めてきたからな。


 ある意味ではそれの方が正しいのかもしれないが、従魔の意向も大切にしたいと思ってな。最初が海馬なのがちょっと癪だが、更生したことだし、お祝いにはちょうどいいだろう。


『どんな風に、と言いますと?』


『そうだな、大きくて強いのか、小さくて強いのか、近接か遠距離か、カウンターとかもあるよな。属性とかも選んでいいぞ?』


『そ、そうですか……有り難うございます。私はご主人様のご意向に総形であれば、構いません。ですが、強いて言うなら、大きくて強い者には憧れますね』


 強くて大きいやつかー。そうなるとどうしたらいいんだろうか? ウチで一番でかいのはアシュラだから、アシュラを参考にすればいいか。確か、アシュラは十体のスケルトンから作ったよな、ってことはそんくらい用意すればいいってことか。


『分かった、じゃあその為に素材を用意しないといけないのだが、お前と同じ種族のモンスターってまだいるのか?』


『はい、この海の中にある、海底神殿には必ずいると思われます』


『そうか、ならお前と同じ種族のモンスターを倒せるだけ倒してこい。お前が倒した分だけお前は強く、大きくなれるからな』


『か、かしこまりました』


 そう言って、海馬は海の中に消えていった。


 あれ、これって今、俺、同族殺しをさせようとしてる? まあ、いっかスケルトンとかともスカルボーンもアシュラも倒しまくってるし、同じことだろう、別に大丈夫なはずだ。


 ❇︎


 どのくらい時間が経っただろうか、俺は雲の上まで言って、お昼寝をしていた。実際、雲には乗れないから寝転がることなんて無理なんだが、天駆を発動して、なんちゃって気分で楽しんでいた。


 雲生成とかいうスキルがあれば良かったんだが、それでも、お日様の真下でのお昼寝は最高だった。気持ち良いし、変温無効があるから、日焼け対策もバッチリだ。


 そんな感じで微睡の中を漂っていると、


『ご主人様、海馬です。今、十体ほど倒したのですが、空中に運ぶことができず、海底の一箇所に集めております。大変烏滸がましいのですが、こちらまでご足労願えればと思い……』


『お、そうか、今から行くなー』


 どうやらお使いを成功させてきたようだ。それにしても十体はなかなかな数だな。それに、恐らくだが、シーホースドラゴンは経験値キャラだろうから、もしかしたらレベルとかも上がっているかもしれない。


 海馬が一体、どんな姿になるのか、ワクワクしながら、俺は空中から海中に向けてスカイダイビングをしていた。いや、スカイダイビング、ダイビングだな。


ーーー称号《狂犯者》を獲得しました。


《狂犯者》‥他者に同族殺しを複数体、行わせる。NPCからの好感度が減少し、スキル【呪言扇動】を取得する。


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