第522話 影を追う者(別視点)

作者も朧げだったので復習を

アッパー:拳で語る系男子

ウィズ:怪しい奴

シャーク:まとめる系の大人

アーク:板挟み系苦労人

ブラック:無口なアサシン

——————————————————


「アッパーさん、そちらへ行きましたよ!」


「っせー! んなことわかってラァー! オラァッ!」


「やはり二人だけでこの死者の国を抜けるのは流石に厳しそうですね……」


「ウィズー! ごちゃごちゃ言ってないで手を動かせよ手を! この大軍は流石に俺一人じゃきちーぞ!」


「分かってますよ、ただ、私たち二人でも、きちー、のですよ」


「あぁん? なんか言ったか? それよか早く手を動かせって言ってんだろ! このままじゃやられちまうぞ!」


「……はいはい、わかりましたよ」



❇︎



「というわけで、私たちが先に下見に行って参りましたので、是非このメンバーで死者の国を抜けませんか?」


「おいおい待ってくれよ。先に下見と言えば聞こえは良いが、正確にいうと、抜けがけしたんだろ? それで無理だったから協力してください、ってのはちょっとムシが良すぎるんじゃないか?」


「これはこれはドラケさん、まあ確かに言わんとすることは分かりますが、私たちはそれ相応のリスクを背負っています。その結果、勝ったとしてなんの問題がありましょう。そして、我々が持っている情報はあなた方にもきっと役に立つ情報ですよ?」


「それはそうだが……」


「ふむ、ウィズ殿の意見も確かに筋が通っておる。しかし、以前この場で会議したことをお忘れになったのではあるまいな? 我らが協力し、強くなる為にその行為が必要であった、と考えての行動なのだろう? ウィズ殿」


「えぇ、もちろんですとも」


「ならばこれに参加するのも良いのではないか? 元来、このゲームの世界に於いてプレイヤーを縛ることは運営であっても難しい。我々が他人を縛ることなど以ての外なのだ。つまり、各個人は本当の意味で自由なのである。その自由意志で我らが手を結ぶという決断を下したのならば、これに賛同しない手はないと思われるな」


「なら、シャークさんは、個人で何しようがまったく構わないが、なるべくこのメンバーで協力しようって言いたいのか?」


「そうだ。人の気持ちは縛れぬ。自分だけが甘い蜜を吸いたいのは皆同じだろう。その中でこのメンバーを利用するということは、より甘い蜜を吸えるが、それと同時に他人にも吸われるというただそれだけのことだ」


「そりゃーそーですが、ウィズの野郎はどこかきなくせーってか、怪しいんだよなー」


「まあまあ、参加したくない者は参加しなければ良いだけの話だ。しかし、私はそうだな、参加するつもりだぞ」


「わ、私も参加しますよっ!」


「なんだよ、弓使いのアークも参加するのかよ。てっきりお前はしねーのかと」


「あ、アッパーさん、その呼び方はやめてくださいよー私だってやるときはやるんですから」


「良いだろ別に、それと、まーた何も言わねーブラックはどうなんだよ!」


「小生は参加するつもりでござる」


「では決まりですね! 日時は追ってお知らせしますので、各自準備しておいてくださいね!」


 会議終了後、一人闇でほくそ笑む者がいた。そう……

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