第508話 無限の可能性
「死骸魔術……」
死霊魔術は結構序盤の方に入手したにも関わらず、結構長くお世話になっているスキルだ。スカルとボーンもこれで呼び出したモンスターだし、これまで数多くの命を救ってきた、はずだ。
そんな死霊魔術が強化されたのか、新たに追加されたのは奪魂、融魂、授魂だな。どれも名前ですぐに分かるからいいな。奪って、融合して、授けるのか。
ん? これもしかしてめちゃくちゃ面白いスキルなんじゃないか? 強いモンスターから魂を引っこ抜いて、集めまくって、厳選して、好きな組み合わせのものを選んで、更に体も自分で用意すればオリジナルモンスターの完成じゃねーか!
これは無限の可能性を秘めているな。男ならモンスター合成とか、自分だけのさいつよモンスターとか一度くらいは考えたことあるだろう。あのキャラとあのキャラを合成させたら……! とか考えるもんだよな。
俺はどんなことしてたか昔すぎて思い出せないんだが、まあ、夢は膨らむよな。ただ、服従するだけじゃなくて、魂レベルで厳選できるんだ。これはやり込み要素としてはあまりにも沼すぎやしないか? どこまでも突き詰めれそうだな。ほどほどにしとかないと、気付いたらこれだけやっているかもしれない。
まあ、いつか面倒臭くなってやめるのがオチだろうが。
んーでもせっかく新たな能力が使えるようになったんだから、使ってみたいよな。あ、ちょうど良さそうなモンスター発見、試しに使ってみるか!
「奪魂! ん? 奪魂!」
あれ、奪えないぞ。あ、これもしかして服従の時みたいに相手を弱めてから使う見たいなパターンなのか? そうだとしたらめんどいがやるか、相手はレベル300のゾンビだな。なんか、名前が短すぎて一瞬手抜きなんじゃないか、と疑ってしまうが、そういうコンセプトということで納得しておこう。
「グ、グガァ」
これで奪魂っと、お! できたな! これでゾンビの魂がゲットできたわけだな。まあ、ゾンビって聞くと弱そうだが、レベル300だから許しておくれ。ってか、レベル300の割りにすんなり倒せるんだな。もしかして俺、ステータスが高くなり過ぎているのかもしれないな。
もう途中からステータスの数値に関しては、把握することを諦めているから、現状がどのくらいなのかもわからない。
まあ、取り敢えず魂はこれで獲得だな。次は体となる敵が欲しいな。だが、どんな敵が出てきてもソイツの体を使ってやるからな、頼む、いいのこい!
〈Lv.350 スライム〉
「…………」
いや、レベルをあげればいいってもんでもないだろ。スライムってどう頑張ってもスライムだからな? 酸とか吐き出せそうだが、そんなことする前に大体戦闘終わるから!
って、体コイツかよ、もっとカッコ良くてごっついのが良かったが仕方がない。そう決めていたことだし、今回はお試しの戯れだ。
ってなわけで、スライムの核を一突きにして体をゲットした。もうここまできたらやるしかない。
「授魂、」
ただのスライムにゾンビの魂が沁み渡るように入り込んでいった。そして、、、
〈Lv.325 ゾンビスライム〉
なんだこりゃ。
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