第507話 意外な骸の使用法


「【服従】!」


 相手の攻撃を見切り、反撃を加え、弱った所にスキル服従を発動した。このスキルは基本的に自分よりも下のレベルを配下にする為に使用するものだ。


 しかし、俺の場合は諸事情により基本的に自分よりもレベルが高い敵にしか遭遇しないのだ。だからこうして実力をわからせることで服従が可能となるのだ。


 まあ、いくらレベルが自分よりも低いと言っても、相手に素の実力で負けてしまえば、弱肉強食の世界では従わざるを得ないからな。


 だが、そんなことよりもなぜ俺が服従をしたのか、ということの方が気になるかもしれない。それは、俺が過去にした経験に基づくことなのだが、俺は知っているのだ。自分の配下が敵と同じ種族の場合、仲間にすることがある、ということをな。


 まあ、俺はたまたま見ただけなんだがな。俺が死者の国に入った時、スカルとボーンが沢山のスケルトンを連れてきたときは素直にびっくりしたよな。そして、その十体くらいのスケルトンが今のアシュラの進化前なのだからな。なかなか面白いだろう?


 そう、話が少し脱線してしまったのだが、俺がここのスケルトンを配下に加えたのはまさにこの為だ。いかにスケルトンとは言え、レベル300は連戦していけば大なり小なり消耗はしてしまう。逆にひとり味方に加えておけばその他のスケルトンがタダで味方になってくれるかもしれないのだ。やるしかないだろう。


 敵が少なくなるだけでなく、味方が増えるんだぞ? この恩恵は非常にデカいし、数が増えることによって数の利というもの得られるのだ。これぞまさに一石二鳥どころの話じゃないだろう。


「スケルトンが仲間になりたいようです。配下にしますか?」


 お、早速きたようだな。まあそりゃ味方がやられて相手の軍門に降ったとなれば自分もその庇護下に入りたいと思ってしまうのも無理のないことだろう。


 もちろん更に申請がくるが、ドンドン仲間に加えていく。来るもの拒まず、去るもの追わずって感じだな。


「ふぅ」


 これでちょうど十体だな。うむいい感じだ。そもそもすべてのスケルトンを取り込めるとは思っていなかったから、これだけきたことに驚いている。二、三体くればよかったのだが、大黒字だな。


 それにしてもレベル300台のスケルトン部隊というのは中々壮観だな。雑魚キャラはそもそも高レベルになることがないからな。仮になったとしてもおそらく次の段階へと進化していることだろう。つまり、このスケルトンは非常に貴重なのだ。大切にしないとな。



ーーー称号《骸使い》を獲得しました。


《骸使い》‥高位の骸骨を多数、配下に加える。配下のアンデッドが全体的に強化され、スキル【死骸魔術】を取得する。



「【死霊魔術】は【死骸魔術】に統合されます」


【死骸魔術】‥死を操る魔術。使役、召喚、蘇生、呪縛、奪魂、融魂、授魂を使用可能。


「お?」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る