第495話 ペレ君


 ペレを呼び出して早々活躍してもらったのだが、まあ戦闘ではなかったからもう少し一緒に探索してみようと思う。


 それにしてもペレも単に強いだけでなく、しっかりと考えることができるのは本当に心強い。ただ命令待ちの兵よりも、自分で考え、自ら最適な行動をとれる兵の方がどう見ても優秀だからな。


 軍とかの規模になってくると、流石に命令は聞いた方が良いだろうが、俺のとこみたいな少数だと、ちゃんと一人一人が精鋭であることの方が重要だからな。


 その点、デトやペレ、アスカトルは非常に頼もしい。スカルとボーンもだな、対応力で行ったらこの二人が一番高そうだ、先日の装備も相まってかなり期待できる。


 アシュラとハーゲンは言わずもがな戦闘要員、火力担当だ。二人は変なこと考えずに目の前の敵を確実に倒してくれるだけでいいのだ。


 そう考えると俺のチームは中々バランスが良いように思えるな。これから増やすかは分からないが、全員揃えばこれを討ち滅ぼせる敵はそういないだろう。


 まあ、そんなこと言ってたらこの邪の祠で出会うかもしれないが。


 チュドン、ブシャッ!


「あっ!」


 俺が従魔のことを考えていると、隣にいたペレの腕がなくなった。正確に言うと肘から下だな。くそ、まさか相手に遠距離型がいるとはな。


『大丈夫か、ペレ!」


『はい、心配には及びません』


 ペレは一切の動揺を見せずにそう答えると、うにゅにゅにゅにゅ、と腕を生やした。


 あ、そーですか。やっぱり俺いらなくね? 配下が優秀なのは喜ばしいが、俺の出番というか、何というか、少し寂しいぞ?


 ここは俺も役に立たねば!


「【叡智啓蒙】!」


 己の感覚を一気に広げ探っていく。どこだどこだどこだどこ、見つけたっ!


『ペレ、二時の方向、約二キロ先だ!』


『畏まりました、【羅焦門】』


 ガギャンッ!


 突如、相手が潜んでいた場所からマグマの門が噴き上がった。それはとても禍々しく、決して生物を生かしてはおくことができない物のように思えてしまった。


 それに、マグマであるのに何故か噴き上がる時に金属音のようなものが聞こえた。これはゲーム上の仕様、エフェクト音だと信じたいものだ。


『ご主人様、いかがでしょう?』


『お、おう。対象は撃破できている。良くやった』


 相手は鳥形のモンスターで、口からエネルギー弾のようなモノをこちらに飛ばしていたようだ。第二射を放とうとしていた所をペレが鳥が止まっている大樹ごと灰に変えてしまったようだった。

 


 ん? ペレ君、君そんなに強かったの?

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