第485話 ハーゲンの装備


 よし、ラストの装備を見てみよう。



・凰族の威光 伝説級

圧倒的な強さを誇る者に対して作られた装備。この世の鳥類の頂点に立つと呼ばれるモンスターから作られており、職人の技によって最大限に素材が生かされている。この装備を翼を持つ者が装着すると、翼が強化される。



 ん? 説明文がかなりシンプルだな。素材が鳥類の頂点の奴ってことと、装備すると、羽が強化されるってことしか書いてないぞ。


 それに、見た目もかなり奇抜だ。豪華、といえば聞こえは良いが、そうだな、大昔の将軍とかの馬につけられている鞍のような感じだろうか。それも背中だけでなく、顔までも覆うような、そんな装備だ。


 一旦、外に出て、空へ駆け上がり、周りを、確認してハーゲンを呼び出した。ハーゲンは大きいから周りに注意しなきゃいけないのだ。


『ハーゲン、ちょっとこれ装着できるか?」


『おー! なんすかこれ! 分かったっす!』


 ハーゲンも驚いていたようだが、すぐさま状況を判断し行動してくれた。流石はハーゲンだ、幾千もの戦いで培われたものなのだろうな。


 ハーゲンがその装備を装着しようとすると、俺には、装備の方からも進んで装着されに行ったかのように見えた。


 そして、そのまま綺麗にハーゲンの体に纏わり、確かに、威光を放った。


 全体的に金であしらわれたその装備は、王というのがなんたるか、というものを体現しているかのようで、ハーゲンを更にワンランク上の段階に引き上げたように思える。


 また、その装備も凄いのだが、一番驚くべきはその翼だ。唯一、装備の説明文にも書いてあった、「翼を強化する」という文言、これは一目で分かるようになっていた。



 なんと、翼が巨大化していたのだ。


 翼が伸びている、といっても良いかもしれないが、元々のハーゲンの翼に更に黄金の翼それを覆うように生えていたのだ。


 まあ、実際にはオーラのようなものなんだが、薄い黄金色に輝いているのだ。これによって力強さが格段にアップグレードしている。


『どうだ、ハーゲン』


『こ、これカッケーっす! 翼も大きくなってもっと速く飛べそうですし、この兜みたいなのもカッコ良すぎるっすよ! ご主人様、ありがとうございますっす!』


 ふっふっふ、配下から感謝されるというのも良いものだな。他の従魔の皆も喜んでくれるだろうか? まあ、そうだと期待しよう。どれも一級品だからな。


 だが、それにしてもハーゲンのこれは別格のように思えるな。素晴らしい、これで安心して邪の祠にいけるな。どんなことが待ち受けているか分からない以上、準備するに越したことはないからな。


 本当に良かったな。これからも爺さんに色々とお世話になろう。そして、恩返しもしていかなきゃだなー。流石にお金だけで済ませて良いとは思えなくなってきたぞ、ここまできてしまうとな。


 よし、邪の祠から無事、生還したら爺さんに何かお土産持って帰ろう!

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