第476話 愚息強化計画


「エクストラクエスト『ウチの愚息をどうか強くしてくれ!』が開始されました」


 おん? なんだこりゃ、エクストラクエスト? なんかどこかで見たことがある名前だな。まあ、エクストラなクエストってことだろう。


 内容を確認してみると、息子を鍛えればいいらしい。それもレベルだけ上げればいいというわけではなく、お父さんに認めてもらえなければいけないらしい。その報酬として俺はお金を貸してもらえるらしい。


 まあ、それだけでお金が貸してもらえるならラクってもんだろ。俺の好きにして良いだろうし、バッチリ鍛えてやるか!


「よろしくお願いしますっす!」


 ふむ、最初は威勢がいいな。だが、これがいつまで続くかな?


❇︎


「も、もうやめ


「【慈愛之雨】」


「ぐ、ぐわーーーっ!」


 今、絶賛特訓中だ。俺はちょうど早く強くなる方法をたまたましっていたからな。それを使わない手はない。


 だが、この方法をNPCである彼にそれをそのまま使っては本末転倒というか、元も子もないので、少し工夫を加えて、死ぬ手前で俺が直々に回復をしてあげている。


 何故か回復することを嫌がっているように見えるが、気にしない。死なないんだから嬉しいはずだろう? 気のせいでしかないだろう。


 あ、因みに敵役には俺の従魔達を使っている。今はデトックスの毒を終わって、ペレのマグマ風呂に使ってもらっている。マグマはトロトロしていてさぞかし気持ちいいことだろう。


 ペレが終わった後は、アイスを予定している。アイスに威力調整ができるか心配だが、まあ、なんとかなるだろ。


「おい、もうマグマ風呂は飽きた頃だろう? 涼みたくないか?」


「は、はい……」


「アイスー!」


『ごめんなアイス急に呼び出して、この獣人が少し涼しくなりたいらしくて、氷魔法使ってくれるか?』


『はーい! ぶりざーどばれっとー』


 ん、それ大丈夫? 


『くればすぷれすー!』


 いや、もう流石にキツいよね?


『あいすこふぃーん!』


「あっ、」


 俺の一応弟子が氷の棺に囚われてしまった。これはもう完全に手遅れだな。うん。


 まあ、アイスが少し張り切ってしまったから仕方がない、か。


『アイス、よくやってくれたなー、ありがとうなー、また頼むぞー』


 俺はアイスの頭を撫で撫でして返してあげた。赤ちゃんに力の加減をする方が無理な話だったのだ。


 よし、蘇生しよ。

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