第467話 厳戒態勢
俺は歩いていた、高度二センチの世界を、天駆を発動しながら。
ふう、まさか足跡でバレてるとはな。そんなこと意識しないから全く分からなかったぞ。まあ、天駆を発動してあるけば問題はない。ただ、小さい頃に見た、耳のない猫型ロボットの裏設定のようだ。あのアニメはまだ続いているのか?
まあ、なれれば硬い地面を歩いているのとなんら変わりはないから特に思うことはないが、変な感じではある。まさか自分がアレを体験することになるとはな。
よし、適当に散歩して、あの修練場に戻ろう。目的は修練ただそれだけだからな。あ、ついでに上空でデトと合体して擬態しておこう。できる時にしておかなければ、本当にするタイミングが無くなってしまうからな。
「【人魔一体】、【擬態】」
よし、耳と尻尾が生えていい感じだ。装備も全解除してるからもう元の姿の面影もない。
完全に紛れることができる状態で下に降りると何やら騒がしかった。何が騒がしいのかはよく分からないが、何かが行われている。そんな感じがするのだ。緊張感がある、という方が分かりやすいか。
俺は隠遁を解く為に裏路地に入り、姿をあらわにしてから堂々と表にでる。うん、ビクビクしないことが一番重要だ。
そしてそのまま真っ直ぐ修練場の方へ向かおうとしたところ、、
「おい」
早速、声をかけられた。え、もうバレたの? 早くない? あと五歩で目的地なんですけど。
静かに殺めようかと思ったが、自分に自信がある誰かに見逃されないのが怖いからなんとか踏みとどまった。絶対にあの名言は言わせたくないからな、最悪俺が言いたい。それにしても早く続き出ないかなー。
「おい、そこのお前!」
やばい、完全に意識がどっかいってた。不味い不味い、取り敢えずここは穏便に済ませよう。
「はい、すみません、私でしたか。どうされました?」
「おいおい、どうされましたか? じゃねーよ、ここら一帯にあの組からの命令で獣人はあまり出歩くなっていわれてんだぞ?
お前も獣人になら早く屋内に避難しろ、なんでもここにエルフの輩がスパイに来てるらしいからな。俺も詳しいことは知らねーが早く家に帰るところだ。お前も気をつけて帰れよ!」
「あ、ありがとうございます」
エルフが来てるのか、そりゃ大変だな。何かピリついてると思ったらそれなら原因なのか。なら大丈夫だな。俺のせいかと思ったぞ。それにさっきの人もいい人だったから良かったな。マジでバレたかとビビってた。
そういう事情があるなら、早いとこ修練場に向かおう。もう目と鼻の先だし、修練を始めてしまえばなんとかなるだろう。
「すみませーん」
「ん? 誰だい、こんな時にこんなとこに来る不届き者は」
え、修練場の受付は婆さんって決まってるの?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます