第468話 国の特徴
修練場に入るとそこは地下帝国と殆ど同じ構造をしていた。受付があり、奥へと続く道があるだけだ。
受付の婆さんからは開口、一言目で嫌味を言われたが一切気にしない。人の目を気にしてたら人生つまんないからな。
「すみません、早速使ってもいいですか?」
「ちょっと待ちな!」
婆さんさそう俺に言って呼び止めると、それこそ舐めるように俺をジロジロと見てきた。そのまま婆さんは、穴が開くかと思うほど見つめると、
「ほぅ、アンタ面白いんだね。まあいいさ、入んな、今日は特別だよ」
え!? なになに、気になるんですけど! その意味深な観察とその発言! もしかしてバレてる? バレてる上で使ってることを許可してもらった?
いや、待てよだとしたら婆さんも同罪になるぞ? 流石にそんなリスクは犯さないだろう。となると、ん? 逆に何を見たんだ? 俺の体? スキル構成? え?
俺は使える全てのスキルを総動員し、体感時間を引き延ばし、思考速度を上げ、婆さんの発言の意図を汲み取ろうとした。しかし、俺には分からなかった。婆さんが何を見て、どう感じたのか。
もし、鑑定をしたならスキル構成はバレているだろうし、種族の所も見られているかもしれない。
逆に鑑定じゃなかったら、俺の装備や骨格、筋肉量とかを見ていたかもしれない。
流石に情報量が少なすぎるな。最初に人の目は気にしないと言ったんだ。もう、忘れよう、分からないことを考えても仕方がないんだ。それにしても気になるな。もうとっとと奥にいこう。
奥に行くと、圧倒的既視感を放つ機会があった。
「スキルを選択してください」
その文言と共に俺のスキルがリストアップされた。こうして見てみると、称号と同様、結構な数になってるな。自分でもビックリだ。
それにしてもやはりスキルだったか。こうやって国ごとに強化できるものが違うのは、プレイヤーに楽しんでもらうのもあるかもしれないが、国ごとに特徴を出すためだろうな。
称号を強化する地下帝国のドワーフ、スキルを強化する獣人、エルフは何か知らないが、恐らくなんか別のことを特化しているんだろうな。そして、それらが互いに啀み合ってるというわけか。エルフや獣人のプレイヤーはどうしているんだろうな。まあ、頑張って欲しいものだ。
「うわ」
それにしてもかなりの量だな。無効化スキルまで選べるぞこれ、選んだらどうなるんだろうな、考えるだけでも嫌だな。流石にそれはやめておこう。
よし、今回はこれにしてみるか。最初はお試しだしな。
「スキル【拘束】が選択されました。修練メニューを決定いたします……決定しました。以下のメニューに従って、行動を開始して下さい」
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