第455話 茸師匠の進化
「修練メニューの達成を確認しました。当機所在の場所までお戻り下さい」
終わっ、た。
遂に終わった。あのあとハーゲンが来てくれて、予想通り沢山のキノコを持ってきてくれた。しかし、そのどれもが何故か大きく、数を食べなければならないこのメニューとは相性が悪かった。
しかも、生だとそんなに美味しくないものも多く、料理する気にもなれなかった俺はひたすら無心になって食べ続けた。
七百を超えた辺りから記憶が無くなっているんだが、無事達成できたようで良かった。
『みんなお疲れ様、俺のわがままに付き合わせただけだが、それでもよく働いてくれた。ありがとう。今度何かして欲しいこととかあったらいつでも言ってくれ』
そう言って俺は皆を返した、一匹を除いて。
『ご、ご主人様』
「ん? あ、」
そこにいたのはデトックスだった。
デトックスは入れ物も作れず、足も遅いため、一箇所に集めていたらしい。それを俺の所に報告に来たのだが、もう終わってしまった。
『『……』』
た、食べるよ? 折角取ってきてくれたんだからね。だからそんな顔するなよー、今までの頑張りが全部無駄になったみたいな顔したいでくれ。
『ありがとうデト、お前のおかげで俺は味わってキノコを食べれるよ』
『す、すみません、ご主人様』
『気にすんな、本当に俺は嬉しいんだからな?』
『は、はい。ありがとうございます、カメ』
俺はデトの頭を撫でて帰してやった。
……ふぅ、だが、それとこれとは別問題だ。今目の前にあるキノコは完全なる敵である。配下の頑張りを無駄にしない為にも全力で味わって殲滅する。
❇︎
「殲滅、完了……」
俺、スキルが無かったら俺の腹は爆発してたかもな。逆に悪衣悪食のせいで今の俺のステータスは三時間限定でとんでもないことになっている。今ならどんな悪魔にも勝てそうな気分だ。
まあ、戦う気力がないから無意味なんだけどな。
よし、じゃあ地下帝国に戻るか。あ、チッカ帝国か。
❇︎
地下帝国に戻り、あの修練場に戻り機械の前に立つと、
「修練メニュー達成を確認しました。称号のランクアップを開始します」
ランクアップというのか、まあ進化みたいなもんだろ。進化というとやはりどんな時でもワクワクするよな。おや、茸師匠のようすが……
「おめでとうございます! 茸師匠は茸仙人にランクアップしました!」
ーーー称号《茸仙人》を獲得しました。
《茸仙人》‥茸というものを身をもって体感する。キノコを一目見ただけで、その種類と効果が判別可能になり、また食べた時の効果がそのキノコを食べた数に応じて上昇する。
ん? あれ? なんか強くね?
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