第452話 修練メニュー


 奥の部屋に向かうと、そには一つの機械があった。


 見た目はそうだな……小さい頃にたまに見た、クレジットカードと呼ばれる一枚のカードからお金を下ろす機械の様に見える。その機械の名前は知らない。


 機械の前に立つと、自動で機械が動き始めた。


「称号を選択してください」


 その文言と共に俺の称号がリストアップされた。こうして見てみると、結構な数になってるな。自分でもビックリだ。


 しかし、どの称号を育てるか非常に悩ましい所だな。もし適当に成長させた称号が思わぬ方向に進化してしまって俺のプレイスタイルが変わってしまうのは良くない。育てるものは慎重に選ばないといけない。


 俺の称号で、効果が変わってしまったとしても、然程影響がないもの……


「お、」


 茸師匠! こんな称号いつゲットしたのかすら定かではないのだが、まあこれの恩恵を日々感じていないのは事実だ。それに、効果が上がるのは間違いないんだから、やって損は無いだろう。


 という訳で茸師匠っと、


「称号《茸師匠》が選択されました。修練メニューを決定いたします……決定しました。以下のメニューに従って、行動を開始して下さい」


 称号を選択すると、このようにスピーディーにことが運んだ。こんなに素早くメニューを決めれるなんて相当技術力が高いんだろうな。それにどんな称号にも対応しているとなると、相当だ。


 そんなことを考えながらメニューを見た俺はマヌケであった。受付の婆さんの言葉をすっかり忘れていた。そこにあったメニューとは、


・今から二十四時間以内に合計千個のキノコ類を食べる。

・今から二十四時間以内に合計百種類のキノコ類を食べる。

・今から二十四時間以内に合計五十種類のキノコ料理を食べる。

・今から二十四時間以内にキノコ類による食中毒を合計三十回起こす。


 という四つのメニューだった。



「…………はい?」


 俺は、こればっかりは自分の目を疑った。ゼロが一個多いんじゃないか、とか制限時間とか、一瞬、現実を素直に認めることができなかった。


 しかし、俺には迷ってる時間すらなかった。


 俺は急いで修練場を抜け出し、集合をかけた。


「【全員集合】!」


『お前らは今から散開し、ありったけのキノコを集めろ! 種類は問わない、毒キノコはむしろ大歓迎だ。俺は俺で別行動するから、集合は五時間後に、ここに来るまでに来た、あの崖の下にしよう。では、散開!』


 キノコ採取は従魔に全て任せる。俺は俺で俺にしかできないことをする。所謂、役割分担ってことだな。この為にはまず、ギルドから金を下ろして来ないとな。



 街からキノコを、、消す。

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