第446話 dynamite
目の前に横たわる氷漬けの機械に対して、俺はどうすればいいのか分からなくてなっていた。
『ペレ、取り敢えずこの氷だけを溶かすことはできるか? もちろん、機体はとかすなよ?』
『かしこまりました。造作もありません』
一旦、ペレに溶かしてもらい、もう動かなくなった機械と直々に対面した。
近くでまじまじと見てみると意外とメタリックというか重厚感のある機体で、素材は意外とかっこよかった。この金属を素に、ハーゲンとかを強制進化させたら、メタリックハーゲンになるのか?
まあ、流石にそんなハーゲンは嫌だからしないが、もしパーツが集まったら機械の従魔なんてものを作れるかもしれないな。高火力専門の、超フルバースト要員的な感じで。うん、そう考えるとテンションが上がってきた。
すると、どうだろう、目の前の機体が素晴らしい素材の宝庫に見えてきた。だが、個人的な好みの都合上、欲しいパーツが限られてくる。俺は横たわる機体の損傷していない中で良さげなモノだけを物色した。
残りの廃棄物はペレに塵一つ残さずに焼却してもらった。うん、非常に便利だな。これからも重宝しそうだ。
こうして俺は突然の襲撃者を退治し、そのままパーツをゲットできたのだが、このままでは俺の望む結果は得られない。なんせ、圧倒的なパーツ不足なのだ。というわけで今からパーツ探しの旅が始まるのだが、よくよく考えてみると、
「コイツ、何もんだ?」
そういって機械の方を向くと、焼却されており、姿が見当たらなかった。そうだ、綺麗に片付けたのだった。
この襲撃者がどこの者で何の目的で俺を襲ったのか知ることの方が、パーツなんかよりも余程重要に思える。
……いや、パーツのが大事だな。
だが、コイツの所属がどこか知る上で、唯一の手掛かりとも言える機体を全て焼却したのは悪手だった。何も焼却しなくても、取っておくだけでいつか、パーツとして光輝くこともあったかもしれないのにな。
まあ、個人的に合わなかったパーツだったから仕方がない。
まあ、俺が獲得したパーツも確認してみたが、特に手掛かりは無かったし、機体があっても変わらなかったかもな。
よし、じゃあパーツ探し兼コイツの故郷探しだな。結構遠くから来たのか、それとも近場なのかは分からないが、俺がいた人間の生活圏とは一切被っていないはずだ。独自のコロニーを形成しているとするならば、恐らくは地下だな。
俺もこの崖の下で襲われたのだからその可能性は大いにある。
ここで、俺の地下探索が幕を開ける。
……でもなー、地下って暗いんだよなー。今は崖の下だからまだ日が当たってるからいいけど、これから少しでも日が傾けば暗くなるだろうし、地下を進んでいけば真っ暗闇を必至だ。
別に俺は夜見や暗視を持ってるから不便はないんだが、その雰囲気が好きじゃないのだ。
よし、取り敢えず風通しを良くするか。
「【爆虐魔法】、ダイナマイトボム」
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