第436話 古参の実力


 よし、次はアシュラだ。


『アシュラ、よろしく頼む』


『は、私の討伐数は二百三体でございます』


 お? 思ったよりも少ないな。アシュラならもうちょっと行くとは思ったが、まあ配下を使ったアスカトルよりも倒しているのだから御の字か。


『ほう、やるな。それでどうだったんだ?』


『は、私は基本的に見つけたら走って剣で刺す。という行為をひたすら繰り返していました。それは順調だったのですが、途中から幾人かの人間に攻撃され、手間取ってしまいました。言い訳がましく申し訳ございません、これも一重私の実力不足でございます』


 なるほど、途中でプレイヤーに邪魔されたのか。まあ、確かに他のプレイヤーからすれば勝手に金の卵を乱獲する敵モンだからな。まあ、そういう訳なら尚更納得だ。むしろ、妨害されたのにそれだけ倒せたなんて凄いないアシュラ。


『アシュラ、気にすることはない。多数から攻撃されたのにしっかり生き残り撃破したことを俺は褒め称えよう。俺の配下に相応しい動きだ』


『は、ありがとうございます』


『これからもその剣を存分に振るうのだ』


『御意』


 なんか、アシュラはすっかり武人っぽくなってきたな。それなしても生きてくれててよかったぞ。死んでしまったら元も子もないからな。


 よし、次はスカルボーンだな。


『スカル、ボーン、お前らはどうだったか?』


『『はい、私達は二人に分離してそれぞれが討伐していくことで、三百八十七体を倒すことができました。二人で倒し方を試行錯誤してフィードバックしているうちに、最も効率よく倒せる方法を発見しました。そしてそれを実行していると、【貫手】というスキルを獲得するに至りました』』


 ほう、もうすぐで四百体近いじゃないか、流石だな。二人で倒しつつそれを互いにフィードバックできたのが良かったのだろう。それも恐らく倒し方だけではなく、見つけ方などについても共有していたのだろう。


 その結果、経験が他の人の二倍になり、そこから得られる内容と考察も二倍になることで、指数関数的増加を見せたのだろう。流石はこの二人だ。歴が長いだけはあるな。


『素晴らしい成果だ。これからもお前らの活躍に期待しているぞ』


『『ありがとうございます』』


 よし、次大トリ、ハーゲンだな。


『ハーゲン、お前はどうだ?』


『うっす。俺っちは千三十二体倒したっす!』



『…………は?』


 え、聞き間違いか?


『すまん、なんて言った? もう一回言ってくれるか?』


『うっす、俺っちは千三十二体倒したっす!』



 ……………………はい?

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