第437話 やらかしたハーゲン
とうとう俺の耳がおかしくなったようだ。何故かありえない数字が聞こえてくるのだ。だって一日の間だけだぞ? どう頑張っても三桁くらいだろう、四桁ともなるとそもそも何故? という疑問が沸き起こってくる。
『ち、因みにどうやって金の卵を倒したんだ?』
『俺っち、最初は普通に空を飛びながら探してたんですけど、一個見つけたら降りて、また上がって見つけたら降りる、っていう繰り返しが面倒臭くなってきたんすよ。そしたら、休もうと木の上に止まると、偶々金の卵の巣を見つけたんすよ! そっからはもうフィーバータイムっすよ、卵じゃなくて巣を探してたらこうなったっす!』
いや、こうなったっす! じゃねーよ全く、どんだけ狩ってるんだよ。恐らくその巣はボーナスステージ兼、金の卵供給所みたいなとこだろうな。少なくなったらそこから足されて、今回のハーゲンみたく大本を叩くことも可能ということだな。
となると、このイベントはこの仕様に気付けるかどうかで明暗が分かれてきそうだな。ずっと追っかけてばっかなのとは、効率が雲泥の差だからな。
ん? いや、もし巣を一旦壊してしまうと二度とそこから供給されないのだとしたら、一番良いのは巣の下で待機とかだろうか。そして供給されたと同時に狩るのがいいだろうな。そうすればリスキルになるし無限に倒せる。まあ、時間はめちゃくちゃかかりそうだが。
あ、そういえば褒美を与えるとか言ってしまってたな。何をあげようか、何をあげたら喜ぶんだ?
『ハーゲン、お前が一番だ。何か欲しいものやして欲しいことはあるか?』
『お、いいんすか! いつもならお魚が欲しいとこなんすけど、今日はちょっと卵を食べすぎましたからねー、どうしましょう』
おいおい、千個以上も卵を食べたってのかよ……胃袋どうなってやがる。
『んー、じゃあ俺っちは……お腹空いた時にお魚が食べたいっす!』
そんなに食いたいのかよ。まあ、本人が望むのならば良いけどさ。それにしても魚なら久しぶりに港町に行かなきゃだな。
『よし、ハーゲンもだが他のみんなもよく頑張ってくれた。今度港町に行った時は皆で好きなものを食べよう! 今日はお疲れ様、では解散っ!』
今日は充実した一日中だったな。気まぐれにイベントに一日限定で参加したが、思いの外楽しかったな。それも従魔達を競争させるのも良かった。皆それぞれアプローチが違くてそれだけでも面白いのに、意外性やハプニング、そして実力、いろんな面が見れるから、こちらも見ていて楽しいし飽きない。
最初の始まりは戯れのほんの出来心がここまでの結果を生むとは誰が思っただろうか。これからも偶に良いイベントあったら参加させてもいいかもな。初日限定でどこまでいけるかチャレンジ的な感じだな。
それにどうせ、イベントは一ヶ月間あるから、大勢には然程影響は出ないだろう。
俺は安心してログアウトし、家のベッドで横になった。
今日はすこぶる快眠できそうだな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます