第435話 戦果報告


「全員集合!」


 もうログインを終わる時間だ。だがログアウトするまでに今日の戦果報告だけをしてもらおう。


 因みに俺とアイスのペアは、アイスの機動力的に卵と追っかけっこをすることはなかったが、アイスの魔法が光り、視界に入れた瞬間倒すことができた。相変わらず実力の方は全く可愛げがない。


 しかし、「おなかすいたー」、「あまいものたべたーい」、「ねむたーい」などの要望が多々あり、断れる訳もなくずっとアイスのお守りをしていた。まあ、とても可愛いかったから良しとしよう。


 よし、ではさっさと聞くか。


『まずはデト! どうやって何体倒した?』


 狩の時間は今日のまるまる一日だな。限られた時間でどれだけのパフォーマンスを発揮できるかもその者の実力だからな。


『はい、合計で五十二体倒しました。スピードでは追いつけませんでしたので、じっと自然の中に隠れて、目の前に通りかかった卵を毒で倒しました。隠れていると、途中で【擬態】というスキルを獲得しました』


 お、おう。中々の数だな。デトは亀にしては結構速いスピードを持っているが、それでも亀というディスアドバンテージから抜け出せるわけじゃない。だがそれにしてもかなりの数を倒してくれたようだ。


 それに、擬態というスキルも手に入れて更に戦術の幅が広がったことだろう。これは単に数字では表れない成果を得たと言っても過言ではないな。


『おう、よくやったな。お疲れ様。戦術の幅が広がったことでこれからの期待にも活躍している』


『ありがとうございます』


 よし次、次はペレだな。ペレは一人得意フィールドが無いから不利だったと思うがどうだろうか。


『はい、私は86体を討伐致しました。私は腕をマグマに変え、その腕を伸ばすことで倒しました。しかし、そうすることで、金の卵がゆで卵となってしまいました。申し訳ございません』


 ほう、炎系統の技で倒すと、ドロップアイテムが金のゆで卵になるのか。面白いな。だが、イベントに関わってくるのは金の殻だった気がする。まあ、イベント関係なく、ただの私怨だから別に気にしないんだがな。


『おう、よくやってくれた。ゆで卵に関しては気にする必要はない。俺は別にイベントなんて興味ないからな。それに、金のゆで卵という存在を教えてくれてありがとう。これからも期待しているぞ』


『勿体なきお言葉、ありがとうございます』


 因みに、ゆで卵は食べるとバフがかかるそうだ。強いな、ここぞという時に食べることとしよう。


 次はアスカトルだな。


『アスカトル、報告を頼む』


『はい、私の討伐数は百二十七体です。キシャ。私は【配下召喚】というスキルを使い、森一帯に小蜘蛛を解き放ちました。そして、それぞれに蜘蛛の糸で罠を作ってもらい、それを各所に配置させました。私は私で別行動をし、見つけ次第忍び寄り、処理いたしました。キシャ』


 お、おう。やはりコイツ賢やな。参謀役すら務まるんじゃないか? まあ、蜘蛛からすると配下を使うのは当然のことなのかもしれないが、それにしても百二十七体は素晴らしい成果だろう。


『お疲れ様、よくやったな。これからも期待に活躍しているぞ』


『ありがとうございます! キシャ』


 もう、今後キシャについては触れないからな? これが最後だ。

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