第433話 初のイベント


 キリンを討伐し終えてギルドに戻ると、驚かれたもののちゃんと対応してくれて、報酬も頂いた。


 いつも俺はデスペナで所持金を溶かしているから、今からはちゃんと報酬をもらった時点でギルドに預けようと思う。必要な時に必要な分だけ出せば大丈夫だろう。


「よし、」


 そんな訳でいいこれからはもうお金で困ることは無い! ってか俺はなんでもう少し早くこれをしようとしなかったんだろうな。ギルドに預けたこともあるのに、、まあいいか。そこまでお金に困った記憶もないし、過去に対して反省は意味はあるけど、不満とか言っても仕方ないからな。



 ギルドに預けた後、他に良い依頼はないか聞いてみたんだが、そこまでいい感じの依頼は無かった。なんかどこかでみたことあるような感じだったし、何より弱そうだった。


 実際、キリンも麒麟って書いてあったから強そうと思っただけで、アスカトルにいいようにやられてたしな。まあ、うちの従魔が強すぎただけかもしれないが。


 ってか、あのキリン鳴き声どう聞いても馬の鳴き声だったよな。そういうとこだよな、麒麟じゃなくて、キリンの時点でマイナスなのに、さらにコイツじゃない感を演出してたからなー。……まあ、過去には何もいうまい。


 アスカトルは単純な強さもそうだが、頭も良いようだ。暗殺担当を任せるに当たって、しっかり搦手も使えるようなら、もう文句はない。まあ最初から文句なんて無いけどな。それに俺が勝手に任命してるだけだし。


 まあ、アスカトルの実力を見ると言うことはできたから、良しとしよう。


 次の従魔の実力を見るとするならば、ペレかアイスなんだが、ペレはどうせならマグマ地帯のホームでみたいし、アイスはそこまで実力は変わってないだろうしな。他の古参勢はみたい気もするが、いよいよ相手の力不足になりそうだ。


 という訳で、一旦従魔の実力テストは中止だな。


 ピロン


 ん? 俺が中止を宣言した途端、なにやらメッセージが届いだぞ? なになに?


「国別対抗イベント、金の卵を追え!?」


 なんだそりゃ。金の卵って生まれるものであって、別に追いかけるものではなくね?


 落ち着け、一旦概要を確認しよう。ふむふむ、どうやら国別でそれぞれ別のサーバーに特殊なレアモンスターが出現するようになるらしい。そして、そのドロップアイテムを一番多く獲得できた国に報酬が与えられるらしい。


 とは言っても単純に数で比較することは人口の差から無理だということで、計測方法は総獲得数をプレイヤー人口で割るらしい。なるほど。


 しかも、これ報酬がエグい。一位の国はそれだけで全員が報酬をもらえるし、その中でも高ランキングのプレイヤーは更に報酬を貰える。だが、逆に一位の国じゃなければ報酬が一切貰えない。いくらその国で上位でも全く意味がない。まあ、参加報酬くらいはもらえるだらうが。


 なんでまたこんな極端なことするんだー? 争いの火種しか生まないだろう。これはやりすぎじゃねーか? 運営としては皆に頑張って欲しいのだろうが、ちょっとやりすぎだろ。


 んー、俺はパスだな。

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