第407話 マイペース
「デトックスーー!!」
そう言って呼び出したのは新米のデトックスだな。コイツは強制進化なしでかなり強化したから、強制進化した暁にはかなりの飛躍を見せてくれるだろう。と思っている。
それはそうと願いは別で聞かないとな。
『デト、なんか叶えたい願いとかあるか?』
『願いですか、もっと毒が欲しいカメ』
あっ、コイツはこっち系か。一瞬で色んな情報が分かってしまった。まずは、あんなに毒を食わせたのにまだ欲しいという脳筋っぷり。恐らく馬鹿だろう。
そして、語尾のカメ、恐らく馬鹿だろう。
つまり、総じて馬鹿に分類されるはずだ。これは取り扱い注意だな、どれだけ強くても使い所、使い方をミスれば台無しになり得るからな。最新の注意を払わなければ。
あ、そうだ。強制進化で賢くしてやればいいんだ。
「【強制進化】!」
「従魔:ヴェノマスタートル、個体名:デトックスがダークアポストルヴェノマスタートルに進化しました」
……あんまり見た目変わってねーな。なんか全体的に黒くなったというか、あ、角がちょびっとだけ生えてんな。少し悪魔感というか、なんというかカッコいい要素があって良かった。それにしても、デトはやっぱりおっとりしてるよな。
『ありがとうございます、ご主人様……!』
『おう、毒に関してはまた今度な。必ずあげるからそこは心配しないでくれ』
『かしこまりました。ありがとうございます』
毒に関しては、今すぐどうこうっていうのが厳しいのだ。まあ主にデトックスが強くなりすぎたせいなのだがな。だが、確実に今よりも強い毒の使い手がいると踏んでいる。悪魔に一人くらいいるだろう、最強の毒使いが。
だからまあ、毒に関しては心配していない。いつか必ずくるから安心して欲しい。
デトックスはいままでの二人とは違って人型にはならなかったが、それは本人が望むものではなかったからいいのだ。デトって絶対マイペースだよな。まあ、そこも魅力の一つだがな。
おっと、そういえば次はもっとマイペースな配下だな。
「アイスー!」
『なーにーごちゅじんちゃまー?』
『何かしたいことあるかー?』
『んー、おねんねしたい!』
『おー、そうかそうか、眠たいのに呼び出してごめんなー、ゆっくり寝て大きくなるんだぞー』
『はーい! おやすみなさーzzz』
ほら言っただろ? マイペースだって。
願いごとを、そんな目先の欲求に使う奴を初めて見たぞ。まあ、子供、ほぼ赤ちゃんみたいなもんだからしょうがないっちゃないんだがな。まあ、アイスは時の流れに身を任せて成長してもらおう。
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