第405話 忘れられし者
おっと、ここで忘れてた従魔がいたな。
「ラヴァマン!」
確か、帰らずの塔で俺の従魔にして、そして誰か他のプレイヤーが来たら、ちょっかいをかけてもらおうと思って、配下にしたんだよな……
『一回でもプレイヤー通ったか?』
『いえ、通っておりません……』
だよなー。なんか、あそこの塔人気無いよな。人が入ってるとこ見たことないしな。だからラヴァマンにはもうお勤め解除してもらおうかな。流石に勤務内容なしの業務はそれはそれでキツイだろうからな。
そうだな、先ずはコイツからにしよう。
『なぁ、ラヴァマン、何か願いごととかあるか?』
『……そうですね、私はマグマで生まれ、ずっとマグマにおりましたから別の世界を見て周りたいでございます。それと、名前もほしゅうございます』
そうか、確かにそうだな。なんか申し訳ないな、俺の一時の享楽の為に生み出したようなもんだからな。これから従魔に加えるときはもう少し慎重になろう。
『よし、分かった。お前には名前と、そして世界を見て回れる体を与えよう』
『……ありがたき幸せ』
「【強制進化】!」
素材はつい最近ゲットした、男爵級悪魔の素材、悪魔の厳骨、だ。骨さえあれば自立歩行可能になり、新たな世界を旅するのに適した体になるだろう。まあ、もしマグマの世界に行くことになれば、その時は今まで通り本領を発揮してもらいたいな。
「お前の名は、ペレだ。その体で俺の役にそして自分の望みを果たすのだ」
「従魔:ラヴァマン、個体名:ペレがダークラヴァアポストルに進化しました」
お、おー。なんか強そうな名前だな。そして、何より見た目がカッコよくなっている。どこから持ってきたっていう服を着てて、老紳士、みたいな印象を受けるな。黒を基調としたタキシードに赤が所々に散りばめられている。素直に言おう。ちょーカッケー、いいなー俺もこんくらいカッコよくなりたいなー。
『ペレ! これこらもよろしくな!』
『ははっ、ありがたき幸せ。この身果ててでも貴方様にお仕え申し上げます』
うむ、いい感じだな。悪魔の素材を使うとこうやって、黒く、強く、かっこよくなるってのも最高だ。
こりゃ、悪魔をもっともっと狩まくって、最強の悪魔軍団を作るのもありかもな。
いや、作るしかねーな!!
ってか、ペレの時格好つけたの恥ず! なんであんなことしたんだろうか。なんか、ちょっと魔王感というか、なんというか……
よし、もうここまで来たらやり切るしかねーな。だって誰も見てないし、自分の配下には格好つけるもんだろ!
それにしても柄じゃないよなー……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます