第402話 確認
「それでどうするのじゃ? 次の悪魔を倒しにいくのか?」
「いや、まだいいです。爺さんが正確な悪魔の場所を突き止めてからでいいですし、ちょっとしたいことが思い浮かびましたのでそちらの方をしたいな、と思いまして」
「そうか、分かった。では、すぐに悪魔を発見するからすぐに帰ってくるじゃよ? 分かったな?」
「はい、もちろんです。では」
そういって俺は研究所を後にした。何故か爺さんが名残惜しそうにしてた気がするのだが、気のせいだろう。
❇︎
そんな訳で俺は今、蠱毒をした場所である海の下に来ている。毎回思うのだが海の下ってなんだよ、って感じだな。ん? 何故こんな場所に来たかって? そりゃ決まっているだろう。新たなスキルの実演だよ!
ぼったくりの例もあって、悪魔のスキルは意外と有能かもしれないから一度くらいは使ってみようと思ってな。もしかしたら今後俺の主力メンバーの一人になるかもしれないしな。
よし、では早速、
「【触手】!!」
すると、俺の掌から触手が伸びていった。うえ、なんか気持ち悪い。だけど少し面白くもあるな。手が本来の位置にあるのに、何故か手が伸びていっているようなそんな感覚だ。だが、触手の先端は丸い。
悪魔が使ってた時は尖ってたよな? ってことはつまり形を変えれるってことか。ならば、針ー、ふむふむ。拳ー、ふむふむ。パー、にぎにぎ。ハサミー、チョキチョキ…………
なるほど、一通り使えそうな形にしてみたんだが、使うとしたら、掌の形にして、遠いものを動かずにとったり、拳にしてゴムゴムのパンチ風をしたり、チョキにして目潰ししたり、ハンマーの形にして一発KO狙ったり、って感じだな。針は……まあそういう気分の時に使えば良いよな。
それにしても色々変えれてかなり自由度が高いよな。まあ、悪魔スキルならこれくらいは当然っちゃ当然なのか?
スキルの詳細を見てみると、ここまではデフォルトで付いている機能らしい。何故ならMPを消費しなくて良いからな。追加コンテンツとして、数と長さと特性が新たに付与できるらしい。まずは長さからいくか、
「ゴムゴムのぉぉ、拳銃!」
すると、東京ドーム◯個分以上は絶対にあるこの巨大な広場の天井に余裕で当たりそうになった。この上は海だから当たらないように気をつけたが、これは凄い。MPなんてあってないようなもんだからやり放題だしな。
なんか、一昔前の、俺が小さい頃のゲームでお金持ちが湯水の如くお金を使い課金しているイメージだろうか。まあ、価値が全然違うんだけどな。なるほど、長さは分かった。じゃあ次は数だな。
「ふぅーーーー、千手観音!!」
息を吐いて、掛け声同時に触手を展開した。その光景は後光さえあれば本当に千手観音に見えたかもしれない。しかし、後光もなければ俺の触手である。見間違えるはずもない。さらに、
「あっ、ちょっ、」
俺の処理能力を優に超えた触手達は、先程の俺のイメージに引っ張られたのか、ものすごい勢いで伸びていく。もう、これじゃ観音様どころか、ただのモンスターだろ。
急いで引っ込めた俺は完全に把握できる触手の数を確認した。すると、どうやら五本が限界のようだった。
え、もしかしてあの悪魔相当凄かった?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます