第354話 毒々しい紹介


 海底の地下の整備は従魔たちに任せて、俺はモンスターの調達に向かう。


 まず手始めに、前回見つけたポイズニストタートルからだな。一体、一体運び込む形にはなるだろうが、頑張って運び込んでいく。



 あ、見つけた。なんか前回みた個体とは違う気がするが気にせず連れて行こう。スキル天駆を発動して、最短距離で移動しつつ、海の中ではどれくらい大丈夫なのか分からなかったため、水操作を使って亀の周りを空気で囲っておいた。


 どのくらい息が持つか分からないし、深海となると水圧が気になるからな。運送途中に死んでしまうのは一番悲しい。



 そんな調子で俺はいろんな街を回りながら、多種多様な毒性モンスターを集めてきた。この時の俺の様子はまさに縦横無尽という言葉や、東奔西走って四字熟語がピッタリだったと思う。そのくらい行ったりきたり、あっち行ったりこっち行ったりしてた。


 そして、今から集まったモンスター達を紹介しよう。


・ギフトアリゲーター

名前とは裏腹に、毒を持ったワニである。砂漠エリアのオアシス部に稀に生息していることがある。攻撃方法は強靭な顎を使った噛みつきで、噛み付いた敵には猛毒である、唾液が付着させられていく。一度噛みつかれたらほとんど抜け出せないため、細心の注意を払う。


・ドューベンローカスト

第五の街、周辺の森に生息している。強力なバネを備えた足と、大きな複眼を備えた昆虫。予想に反してかなり大きいため注意が必要。頭部から伸びている触角には強力な毒がある。見つかって標的にされてしまうとジャンプで急接近してくるため、ほぼほぼやられてしまう。


・エイターセンチピート

千の足を持った百足。主に第三から第四の街にかけて生息している。尻尾に強力な毒が仕込まれており、攻撃を食らうと僅か一日足らずで死に至るという。ただ、体が非常に長いため、顔の目の前にいればほとんど毒の危険はない。顔がキモいのと顎から繰り出される噛みつきに目を瞑ればの話だが……


・チェフォンブルーブル

闘牛のような乳牛のような牛。第五の街周辺に生息している。角が生えており、そこから毒が分泌されているのだが、それだけでなく、本来ならば乳が出る場所から毒液を噴射してくる。ターゲットを狙うことが可能で、まさかの遠距離攻撃手段にやられるものも少なくない。見た目は肉牛に酷似している。


・ウブロジースネーク

全長1.5メートルのヘビ、第五の街周辺の森に生息している。突然変異で体長が恐ろしく短くなった個体。それに油断した数多くの冒険者が命を落としている。短い分機動力に長け、時折ジャンプするように飛びかかってくるが、太さは結構あるため避けるのに失敗すると踏み潰されてしまう。もちろん、牙に毒を備えており、噛みつかれてしまうと一発アウトである。因みに、平静時の動きはどうやら気持ち悪いようだ。



 以上の五体に、タートルを加えた六体に今回は戦ってもらう。もう少し数が多い方が良かったかもしれないが、持ってくる側も観る側も大変だろうということで、このくらいにしておいた。まあ、両方とも俺なのだが。


 因みに、説明文は全て、『触るな危険! 超凶悪毒モンスター図鑑』から引用している。どう考えてもふざけているだろ、という箇所が何箇所もあるのだが大丈夫なのだろうか。



「よっし!」


 気を取り直して、始めようか!


 蠱毒の始まりだ!

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