第307話 ハク(対ネクロマンサー)
私はハク、盾使いをしている。このゲームを始めたきっかけはなんだったか今となっては覚えていないが、今ではもうすっかりハマっちゃってる。
ただただモンスターからの攻撃を防ぐために大きな盾を用意して、ひたすら防御力を上げていたんだけど、気づいたら第八回のイベントで優勝していた。そして、そのおかげで今回、頂上決定戦に参加できた。
このゲームの最強を決めるってことらしいけど、正直このゲームで一番にはなれるとは思っていない。私はモンスターも怖いけど、人に攻撃することに慣れていないから、結局モンスターばっかり相手にしている。そのせいで全然プレイヤー相手だとどうしても緊張しちゃう。
まあ、それでも私も以前に比べればだいぶ強くなっているはずだし、頑張るつもりではある。初めてイベントに参加して決勝で負けた時から、強くなると決めたんだ。
そして、いつの日かリベンジしたい、そう思っていた。そしてまたとない機会がやって来た。だからここで勝ち上がらないといけない。今までの私の修行の成果を発揮しないと。
気づいたら私は闘技場の中にいた。どうやらもう試合のようだ。目の前にはなんか不気味なオーラを纏った男の人がいる。なんか気持ち悪い、生理的に受け付けない人だ。
「3、2、1、」
あっ、もう始まる。盾を構えないと、
「GO!!」
「ふふふっ、食らえ我が精鋭部隊よ! か弱き女子を皆殺しにしてしまえ!!」
皆殺しって、私一人しかいないし何言ってるんだこの人? それに我が精鋭部隊って何って……
「え!?」
私の目の前には、ゴーストからゾンビと言った定番の奴から馬に乗ってる首無し男とか様々な奴がいた。つまり、お化けやらなんやらが大量にいたのだ。
「……ひぁ」
「ククククク、さぁ恐れ慄くが良い、我が部隊の前にはどんな攻撃も意味を成さんのだ! 全軍、突撃ー!!」
お化け、そう私はお化けが嫌いなのだ。小さい頃からずっと苦手で、夜トイレにいくのが本当に怖かった。もう今では成長したし、そこまで怖くないと思ってた。イベントに参加するまでは。
私が初めて参加したイベントの決勝戦で、私は目の前にホネホネを出された。それに驚いて呆気なく負けてしまったのを今でも覚えている。そこで私はまだお化けが怖いってことに気づいた。
そこから私はお化けに対する対策を始めた。なんせ、全プレイヤーに私の醜態が晒されている。いつかまた同じ手でやられないとも限らない。そんな訳で精一杯お化けに慣れようとした。でもできなかった。怖いものは怖い。
そこで私は悩みに悩んだ挙句、最終的にはお化けに対する特効薬を手に入れることでひと段落した。それが、
「シャイニーシールド!」
シャイニーシールド、簡単に言うとお化けに強い盾を出すスキル。聖盾士の職業についたことで手に入れたスキルの一つ。これのおかげでもうお化けが怖くなくなった。
「な、なにぃ!?」
この盾は特殊な光を出してお化けの動きを止める。そしてその光で相手も目が眩む。その隙に近づいて小刀で、首を掻っ切る。
お化けなんかに頼ってるやつなんて私が成敗する。
二回戦 ザクロvsイチゴ
アッパーvsハク
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