第289話 ギガ
俺に攻撃を仕掛けてきた一つ目巨人ことガーが、再び襲いかかってきたのだが、俺は難なくその攻撃を避け、足に攻撃を集中させる事で転倒させ、すぐさま拘束した。
「な、なんだお前はっ! くっ……ギーお前も行け! ガーを解放しあの無礼者を引っ捕らえるのだ!」
うん、なんとなくこいつがガーの時点で予想はしていたが、まだザーという可能性もあったからな、やはりギーであったか。
そして一つだけ分かったことがある。この領主、ネーミングセンスが皆無だ。この人の息子、娘はどんな名前になるんだろう。それこそキラキラネームになるのだろうか? いや、キラキラの真反対だかは暗黒ネーム? それはそれでカッコ良さそうではあるな。自分につくのは遠慮しておくが。
「オマエ、タオス、ガー、タスケル」
倒すか助けるかどっちなんだよ! ってツッコミたいが、勿論俺を倒してガーを助けるのだ。決して逆説で繋がっているわけではない。
しかし、まあニ対一ならまだしも先程やられた戦力と同じ分だけを投入したとしても返り討ちに遭うのは目に見えているだろう。それともギーの方が強いのか? 俺からするとそんなことはないように思うのだがな。
「ガガガガ、ガー、タスケル……」
まあ、そりゃそうなるだろ。という結果に終わってしまったが、それでも領主はそれには納得がいかなかったようで、
「な、なんだお前は! 誰の前か弁えよ! 皆のもの、捕らえた者には褒美をやる! 今すぐ今すぐ捕まえるのだ!」
いや、この領主は阿呆なのか? 一つ目巨人に無理だったことが人間にできるとでも思っているのか? 有象無象をいくら集めたところで無理なものは無理だろう。
次々と俺に襲いかかってくるの敵をいなし続けて俺はしれっと領主の背後に忍び寄った。そして一言、
「スキル選定人、について知ってることを教えろ」
「なっ、何故その存在を知っておる?」
おっ、反応ありだな。それに今の反応でこいつが隠していることも分かった。どうやらここに来て正解だったようだな。あとはこの領主から情報を引き出せば任務完了というわけだな。
さて、どうやって情報を引き出してやろうか……
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