第277話 呪い
【遅延無効】‥状態異常:遅延を無効にする。
俺はただただ一方的に攻撃され続けていたのだが、もうこれで終わりだ。俺がスキルを獲得した瞬間、俺は相手の手をもって思いっきり捻った。
「ギャアアアーー! な、何をするんだっ!」
そして俺はそのまま手首を捻りながら、相手の足を踏み抜く。足が潰れる感覚ってどんな感じなんだろうな。自分で魔法重視って紹介するのは自分が近接物理は苦手ですよって晒してるようなもんだからな。アホだ。
多分、ほんとはいっぱい殴ったり斬ったりしたかったんだろうな。それでも弱かったから、自分の得意な魔法をメインにしたのだろう。その証拠に俺を止めた後はずっと物理攻撃しかしてこなかった。かなりの強い憧れがあるのだろう。
俺がそれを殆ど効かないと分かっていても続けていたからな。
足を踏み抜いた後はそのまま掴んでいた手を使って背負い投げみたいな要領で地面に叩きつける。合ってるかは知らないが雰囲気はこんなもんだろ。そして地面にある顔を踏みつける。
グシャ
「ふぅ」
これで流石に死んだだろう。頭を潰しても生きてるってゴキブリ以上だろ。
ネチャ、ネチャネチャネチャ、ゴボッ
「クククク、どうやら私を怒らせたようですね」
そこにいたのは気持ち悪い顔をした先ほどの悪魔だった。これは顔が修復したと言ってもいいのか? 何かわからないキモい物体で頭が構成されている。
頭が再構築されたということは必然的に顔もそうなったわけで、キモい物体で構成された顔がキモくないことがあるだろうか。いや、ない。というわけで俺の視界に優雅な貴族感が微塵も残っていない気色の悪い顔が映っている。
「私が編み出した最後の切り札を見せてあげましょう。」
「【ス・カース・カー】!!」
ん? 今お前自分でこのスキル編み出したって言ったよな? つまりこのスキル名もってことだよな? 恥ずかしくないのか? 俺だったら恥ずかしくて言えないし、そもそもそんな名前にしないだろう。なんだよス・カース・カーって、スカスカじゃねーか。
だが、その効果は最後の切り札には相応しい効果だった。
「フハハハハ! この攻撃をくらったものは確実に死ぬのです! 体の中の細胞がどんどん溶け出していき、ものの五分でアナタは死に絶えるのです!」
お、そうか、それはいいな。なら甘んじて受け入れよう。
死んだ。どうやら俺は状態異常の呪いになっていたようだった。体がどんどん溶け出してスカスカになってしまうということか。本人は上手いことできたなとか思ってそうだ。ネーミングセンスって本当にセンスだからな。ない奴はないしある奴はある。
ん? 勿論俺は……
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