第253話 弱点
アイスの協力によりなんちゃってだが十字架を作ることに成功した。これに効果があるのかは微妙なところではあるが、無いよりかはましだろう。
この十字架を具体的にどのように使えば良いのかはわからないが、まあ持っておくだけかヴァンパイアに見せつければなんらかの効果は発揮されるのではなかろうか。
よし、では十字架を左手にもって少し進んでみよう。
あれ、全然吸血鬼もどきが現れないぞ? なんでだ? さっきまでは適当に歩いてても見つかっていたのに。仕方がない、気配感知を使うか。
うん、気配感知にはやや遠目だかはっきりと存在する。そこに全力で向かおう。
殆ど時差なしでその場所に着くと、確かにもどきはいた。いたのだが、俺が着くなり襲ってくることなく逃げていったのだ。
急に俺のことが怖くなったのかとも思ったが、流石にそれはない、先程と変わった点といえばやはり十字架だ。この十字架のお陰でもどきが逃げていったのだろう。本当に吸血鬼は十字架が苦手なんだな。
って、それだともどきを倒せなくなるじゃねーかよ。一旦十字架はしまっておこう。今はどうやってもどきを倒すかだ。そうだな、取り敢えず十字架を持っていない状態でもどきの場所に向かうか。
再び気配感知をしてもどきの場所に向かうと、やはり今度は逃げられなかった。というか襲ってきた。もう、全然態度が違くて分かりやすい。
そういえば俺が血液不要になってからまだコイツに噛まれていなかったな。一体どんな感覚なのだろう。向こうも血がなくなった体に噛み付いたことはないだろうからお互い新鮮な体験になるだろう。
カプッ
例の如く俺はユラユラ近づかれて首筋に噛みつかれた。当然痛くもないし、血も吸われていない。血を吸われている時は気持ちが良い感じだったのだが今はそれが全く無いな。
……俺は今何をしているのだろうか。そういう気持ちにさせられる。一旦相手を引き剥がして、首を一刀両断にした。
すると、一瞬ビクンッとはなったものの、再び俺の元へ歩みはじめた。肩から上が存在しない状態で。顔の方を見てみると、その両眼はこちら側を向いており、目が合ってしまった。
もう軽くホラーだなこれは。女子は言うまでもなく、男子でも怖いだろ。ってか頭吹っ飛ばして死なないとかどうなってるんだよ。
カプッ
いや、お前はもういい。
「ファイヤエクスプロージョン」
うぇ、気持ち悪いものがいろいろ飛び散ってしまった。もともとは死人で無理やりもどきにされているのだとしたら本当に可哀想だよな。とっとと大元を倒さないとな。
それにこれで初めてもどきを倒したな。まだどうやって倒すかは分からないが、取り敢えず爆散させれば死ぬことは分かった。いろいろ試行錯誤して面倒臭くなったらこうやって殺そう。
カプッ
おっと、いつの間にか近づかれていたようだな。取り敢えず俺のそばから引き剥がしてひっ倒す。
さっきは首を切ったがそれでもダメだったから、今度は心臓でも刺してみるか。
ザクッ
心臓を一突きされた吸血鬼もどきは一度ビクンとなった後に全く動かなくなった。
なるほど、心臓を刺せば動かなくなるのか。よし、では吸血鬼狩りの始まりだな。
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