第234話 監視カメラ
俺は戦車のほとんどを爆弾と魔法で壊してしまった。
そしてその結果、物騒な称号を二つも手に入れてしまったな。この称号を獲得する前にもこれの前段階のような称号を獲得していたが、最終的にこの二つに統合されてしまったようだ。
まあ、強そうなスキルも手に入れたし、今回の称号はかなり当たりかもしれないな。
【生者必滅】‥相手の体の機能を徐々に失わせる呪いをかける。相手と目を合わせることで発動可能。
【爆弾生成】‥爆弾を生成する。消費MPによって威力、形を変更する。
そして、もう壊す場所が無くなるほど粗方爆破し終えると、最後にキャタピラーの場所に向かった。もう、残すところはそこくらいなのだ。
「え?」
もう、片方のキャタピラーを爆破した後に地面に降りると、そこには魔法陣があった。
え、何故だろう、なんでここに魔法陣があるんだ? もしかしてこの戦車から都市を守ることがこの階層のゴールだったのかもしれないな。もしそうなら、ここまで徹底的に壊す必要は無かったな。まあ、いいスキルが手に入ったから、よしとしよう。
❇︎
俺が魔法陣に乗ると、もう何度目か分からない程繰り返してきた転移が行われた。目の前がホワイトアウトし、気づいたら俺は……
俺は石造りの建物の前にいた。お城というには些か小さく、荒々しい印象を受けるが、かなり大きく、立派な建物だ。ここに次の敵がいるということだろうな。
一体どんな敵なのだろうか。もう、俺はこの帰らずの塔でかなりの敵を倒してきたが未だ被りは無い。だからこの階層もおそらく今までの敵とは違うのだろうがもう、殆どの種類のモンスターを倒してきたように思う。
どんなモンスターが待ち受けているのか少しワクワクしながら門の方へ行くと、
「おい! 止まれ! 誰だ!」
そこには人がいた。どうやら今回の敵は人間様のようだな。
うん、確かに人間はまだ出てきていなかったか。もうすぐイベントがあることを考えると、対人戦に慣れておくことはいいことかもしれないな。この階層でみっちり仕上げたいな。
ザシュ
とりあえず見張りは面倒臭いから、問答無用で切り捨て御免だな。ここで警報鳴らされて、警戒体制敷かれたり、一斉に敵が押し寄せてくるのは流石にきついからな。
それにイベントは一対一だし、一対多はもう懲り懲りだ。たまには落ち着いて、命の駆け引きを楽しみたい。
殆ど音もなく、見張りを倒した俺は、隠遁を発動して中に潜入する。以前使った時に判明したのだが、隠遁中に攻撃をすると、強制的に解除される仕様らしい。相手が生きているか死んでいるかに関わらず強制的に姿が露わになってしまう。
まあ、確かにこの仕様がないと、どんなに大きな集団でも気づいたら誰もいないってことになりかねないからな。もし、それが起きたらぶっ壊れスキルだしな。
隠遁を発動して移動し、一人の敵を見つけて勝負を挑み、倒したらまた発動するっていう流れでいいだろう。
よし、では誰がいるかも分からない石造りの建物の攻略開始だな。
あ、因みに皆気になって仕方なかったと思うが、見張りは一人は首を一刎ねして、もう一人はギロチンで倒した。二人いたがおそらく知らせる事は出来なかったと思う。
監視カメラがあれば話は別だが、それがあるならわざわざ見張りなんか立てないだろう。
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