第232話 破壊


 無事、戦車の機体の中に侵入成功をした俺は、とりあえず何も考えずに外へと出た。この戦車を止めるには、操縦室に行けばどうにかなると思うから、そこを目指しつつ、内側から破壊出来るだけしていこうと思う。


 取り敢えず、弾を作って装填するという自動ラインはぶち壊しておいた。こんなもの残しておいても、ろくなことないだろうからな。


 外から見た通り内部も相当広い。何処かのアミューズメントパークって言われてもおかしくないほどだ。いや、そこら辺のよりは規模は大きいだろう。


 まあ、楽しいか楽しくないかでいうと、命かかっている分、個人差が出てくるだろうけどな。


 しかし、内側から壊すと言っても難しいな。何か明確なものがあれば壊しやすいんだが、通路とか壁とかはいちいち壊しても仕方がないからな。


 うーん、そうなってくると早く一通り回って各個撃破していくしかなさそうだな。よし、ここからは足を使って稼ぐぞ。


「【韋駄天走】」


 もう、この加速系スキルにはずっとお世話になっているな。これの有能さは誰もが認めるだろう。昔からの相棒と言っても問題ない程だ。空のハーゲン、陸のスキル。


 なんかこうして見ると、俺が友達いない奴みたいだな。まあ、ずっとソロプレイをしているが特には問題ないから大丈夫だ。それに俺には従魔も沢山いるからな。


 よし、この話題はやめだ。今丁度砲台を見つけたところだ。これはサブの方で小さめの大砲だ。日本の戦車に付いているのはこのくらいのサイズだったと思うが、それが何本も付いているのだから恐ろしいよな。


 まあ、中にいる分安全なんだけどな。


 あれ、待てよ。操縦室に向かって走るとは言ったものの、どこが操縦室か分からないぞ? それならば下に行って、この戦車の機動力を奪った方がいいのか?


 まあ、なるようになるか。取り敢えず、進んでみよう。


 進んでいくと、分かれ道があった。これは険しい道のりになりそうだな。全てをマッピングするのも難しそうだし、取り敢えず、全部左の法則を使って、左にばかり進んでみよう。


 その後も沢山の分かれ道があった。階段もあり、下に進んだ。すると、最終的に目的地の一つである、車輪の区画に到達した。まあ、車輪と言っても、普通の車のようなものではなく、キャタピラーになっている。


 キャタピラーは壊れにくくなっているからな、俺も全力でいくしかない。


「ニュークリアーボム」


 もの凄く大きな音がしたが、気にしない。これで恐らく戦車の進攻は防ぐ事が出来たな。


 最後に向かうのは、操縦室だけだな。恐らく一番上にあるのだろう。何故かそんな気がするし、だいたい大事なものって上にあるって相場が決まってるだろ。


 ここから、また、分かれ道辿って階段登ってとかするのもいいが、少し面倒臭い。一回した事は基本的に飽きるし、来た道を引き返すのなんて嫌でしかないからな。


 ならば、新しく自分で道を切り開くしかないな。


 真上を向いて、穴を開ける。上の階に行ってまた穴を開ける。これを繰り返すだけであっという間に最上階に到達出来るっていう戦法だ。


ーーー称号《破壊者》を獲得しました。


《破壊者》‥自分が所有していない物を一定数壊す。物に対しては壊しやすくなり、生物に対しては欠損を発生させやすくする。

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