第156話 対策と真実
俺とハーゲンの違いかー。普通に考えて、魔物と人間っていう違い。プレイヤーと、NPCという違い、主君と従魔、まあ、性格とかもそうか? 体型とかも、後は、行動範囲も空と陸で違うしな。んー、大体これくらいか?この中で関係がありそうなものは……
一旦座って考えよう、地面に図を書いたりしたがら纏めたら分かりやすそうだしな。
「えーっと、概念的なものと、物理的なちg……」
「はっ!?」
ここは、広場だ。また死んでいたというのか? それにしても早くないか? さっきよりも早く感じたぞ? いや、それは前は戦闘をしていたから長く感じただけか?
しかし、こうも考えてる途中に殺されては埒が開かないぞ。かと言ってここで解いてもなー、事件は会議室で起きてるんじゃないからなー。んー、
「あ、」
そうだ、別に俺がこの事件を解かなくてもいいんだ。そうだよ、なんでわざわざ俺がこの難解な事件を解こうとしてるんだよ。これはただの傲慢な考えと行動だったな、任せられる時は任せる事が大切だ。それも俺よりも事件解決能力に優れているものにな。餅は餅屋ってやつだな。
よし、逝こうか。
そうだよ、俺が解く必要は全く無いんだよ。どうせ死んだらそれに対応するスキルが貰えて自身の強化に繋がるし、ステータスアップもするし、階層も突破出来るからな! 一石二鳥どころの話じゃないな! 折角死ねるんだから無駄にはしないぞ。
実際に沢山死んでみると、新たなことが分かった。まず、効率よく、睡眠に入って死ぬ為に色々と体勢を変えてみた。直立、片足立ち、逆立ち、つま先立ち、体操座り、腕立ての体勢、そして、仰向けだ。
結果的に、ログを参照すると、仰向けが一番早く死んでて、最下位がつま先立ちでワースト二位が片足立ちだった。それを生かして、片足つま先立ちをしてみると、さらに死ぬ時間が遅くなった。
まあ、勿論、仰向けで行くけどな。これも時間を意識して、どれだけ早く死ねるかを一人タイムアタックをした。まるで逆ビーチフラッグみたいになってたが、まあ、誰にも見られてないからセーフだ。
そして、どれくらいの回数死んだのだろうか。死ぬタイム測定に必死で数えてる暇なんて無かったが、恐らく百回以上は死んだんじゃないか? ログを見ればいいというかもしれないが、普通に一から百まで数えるの大変だからな? そして、遂に……
ーーースキル【吸収無効】
スキル【洗脳無効】
スキル【睡眠無効】を獲得しました。
【吸収無効】‥自分のHP、MPの吸収を無効にする。
【洗脳無効】‥思考が誘導される事を無効にする。
【睡眠無効】‥睡眠を無効にする。
へー、俺って、HPを吸収されてたのか。だから、仰向けの時が一番早くて、片足つま先立ちが遅かったのか。そして、ハーゲンは死ななかった理由もこれで解明したな。これでスッキリしたわ。
それしにても、思考誘導されてたのか。通りで地面に座りたくなった訳だ。おかしいもんな、急に疲れたから、座ろうとか、地面に書いてまとめようとか、明らかにおかしい思考回路だったもんな。
まあ、謎は解明したし、死に戻れたから、今回はかなりの収穫だったな。一旦下げられて上げるのってなんか得した気分になるよな、逆は絶対に嫌だけど。
あ、そういえば、帰らずの塔を最短最速でクリアしようと思ってたけど、もう、それは無理ってことが判明したから、もういっそこうなったら最長最遅でクリアするか。あの爺さんから心配されるくらいまで遅くクリアしてやろう。
よし、とりあえず、俺を秘密裏に殺した奴を成敗するかな。
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