第157話 元凶と切断


 俺が死んだ原因は判明した。ならば、後は実行犯を成敗しないとダメだな。人の思考を誘導して、そのまま殺すってどういう教育受けたらそんな外道なことできるのか。ここらで再教育しないとな。


 まずは気配感知を使って、相手の居場所を探る。俺の予想だと、地面からHPを吸収されていたことから、地面に根っこを伸ばせるタイプの、大きな木ではないかとふんでいる。


 木だったら、空中に進出することもないから、ハーゲンにも影響が出なかった理由としてもおかしくない。


「お、」


 気配感知の反応がある、かなり大きい、距離としてはまあまあ遠目だが、早速現場に急行しよう。


 反応があった場所に着くと、そこには予想通り、大きな大木があった。だが、全てが予想どおりというわけでは無い。


 まず、大きさだ。太さ、高さ共に規格外過ぎる、日本の屋久杉なんて比じゃないレベルだ。大きいことで、幹の硬さも尋常じゃないことになっており、これを伐採しようと思っても、何を使えばいいのか、現実のものならば恐らく無理だろうな。


 まあ、ここはゲームの世界だし、俺もこの世界の力を使うからな。倒せるとは思うが、なかなか骨が折れそうだな。


 よし、まずはダメ元で、枝を少し斬ってみようか。


「ふんっ、えっ?」


 今、俺は枝を斬った、間違いなく斬った、だが瞬く間に再生した。死ぬ前に倒した、あの木のお陰で再生するかもなというのはあったが、再生速度はそいつの比ではなかった。


 もう、ほとんどラグなしで再生し、斬ったかどうかすら怪しくさせられた。だが、間違いなく斬ったはずなんだ。斬れないのならばともかく、斬れるのならば、取り敢えず斬ろう。


 俺の予想では、周り生物から吸収したモノを溜め込み、再生に使ってるのだろう。それならば、こいつの貯蓄を全て使い切らせた上でさらに吸収速度よりも早くコイツをぶった斬る!


「ハーゲン、スカル、ボーン、アシュラ!」


 俺の従魔、全員集合だ。ハーゲンは空中だから影響を受けないから良いとして、骨達が心配だったが、うん、大丈夫そうだな。


 俺のイメージで、死んだ時にどちらかと言うと、HPが吸われるというより、生命力を吸われて、その結果、HPを持っていかれた、というような印象を受けていた。


 その為、もう死んでいる、ホネズは生命力とか関係無さそうだし、そもそも、この神聖そうな木に対して、アンデッドな骨は、有効そうと思ったのだ。だから召喚してみたが、

成功して良かった。


 よし、これで手数は何倍にも増えたな。


『お前ら全員、斬りまくれーー!!』


『了解っすーー!』

『カタカタカタカター!!』


 うん、まあそうなるよな、お前らなら、まあ、分かっていたことだし、もう諦めているが、締まらないよなー。


 だが、働きに関しては何もいうことが無い、ハーゲンは上空から魔力を混じえながら、脚や嘴で枝を引きちぎってる、絵面は凄い光景だが、本人が楽しそうだから、もう何も言うまい。部下の幸せを願うのも上に立つ者の宿命だろう。


 木目調骨武将達は、堅実な働きぶりだ。一番俺に似た体形を持っていることもあり、俺と同じように、ひたすらただ斬っている。だが、周りの奴らと比べると見劣るというか、華がないから、次はこいつらを進化させよう。


 そして、最後はアシュラだな。アシュラはもう、その名に相応しい働きをしてくれている。まあ骨だけど。三対の腕で、あらゆる方向の枝を、そして強靭な骨の影響でかなり太い枝までも切断してくれる。なかなかの良い働きっぷりだ。この中で切断量だけで言うなら今のところ一位だろうな。

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