第147話 空路と神殿
第三の街の広場に戻った俺は、項垂れていた。また、死の国を通らなければならないのだ。そりゃ、気分も滅入るというものだろう。そうだ、
「ハーゲン」
もうすっかり、フサフサになってしまったハーゲンだが、戦闘能力と飛行能力に関してはずば抜けて成長している。
だから、今からはそのハーゲンに次の街、第四の街に連れて行ってもらおうという魂胆だ。流石に空を飛んで行けば、阻むものもいないだろう。よし、では出発進行だ。
うん、やはり、空路はいいな。楽だし、特に戦闘も起きないから。気軽に空からの風景を楽しめるし、いつもと違った街並みも楽しめるのだ、多くの人間が忙しなく行き来してるのを見ると、もっと人生を楽しもうと思える。まあ、ここではゲームの生だがな。
そうだ、第四の街といえば、仙人の方の、エクストラスキルを進める場所でもあったな。帰らずの塔にも行きたいが、先にこちらを終わらせてからにしよう。帰らずの塔で本当に帰れずに何日も拘束されたら嫌だしな。まあ、最悪そうなったら、死に戻りするけどな。
よし、というわけで、仙人クエから進めよう。場所は第四の街の神殿だそうだ。仙人と神って俺のイメージではかけ離れているんだが、ここの世界ではどういう関係性なんだろうな。まあ、そういった所の疑問も晴らしてくれることを願いながら、向かいますか。
ふう、到着した。と言っても、直接街に入るわけにもいかない為、門の手前に着陸した。ここからは徒歩で向かう。それにしても、上から見た死の国のお城は壮大だったな。城だけでなく、死の国全体も一度に見る事が出来た。
いかに死の国といえども、お城はお城だった。とても立派だったし、作りもしっかりしていた。あれはアンデッドが作ったものなのだろうか、それとも人間が昔に作った物を奪い取ったのか。
もし、前者なら、今もそういう技術職のアンデッドがいるのか気になるし、後者の場合でも、かなりアンデッド風になってて、死の国にマッチいていたからな、誰かがアレンジしたか、死のオーラ的な何かで変質してしまったのかもしれない。
こういう話はあの物知り爺さんなら知ってるかもしれないな。いつか戻った時に覚えてたら聞いてみるか。
そうこうしてる内に街の門までたどり着いた。勿論、門番をしている衛兵がいるが、出る時の様に面倒臭くないひとがいいな、頼む。
「止まりなさい。貴方は何処から、何をしにここに来たのですか?」
うん、今回の衛兵さんは当たりでも外れでもないな。まあ、当たりに当たったことはないんだが。今回は、ただただ、真面目に職務を全うしている、ザ・普通って感じの人だな。まあ、ハズレよりは、全然マシだけどな。よし、普通に答えよう。
「第三の街から冒険をしに此処へきました」
「分かりました。では、身分証の提示をお願いします。……問題ありません、では、お入りください。御武運を」
俺の身分証を見ても特に反応しなかったな。でも、最後に俺の武運を気遣ってくれたから、根は優しい人なのか、それとも、俺が帰らずの塔に行くとでも思ったのか。まあ、答えが分からないことを考えても仕方ないからな、とっとと神殿に行くか。
第四の街に入ると、そこは、あらゆる種族が入り乱れている街だった。人間はともかく、エルフ、ドワーフ、獣人、時には虫の姿をした、蟲人なんてものまでいた。恐らくまだまだ、沢山の種族がいるのだろうが、ぱっと見今のところはそんな感じだな。
早速、神殿に行ってみるか。暗殺ギルドもその後でもいいだろう。前回の街では、教会周辺にはよく行ってたな、教会には結局行ってないが。
だが、その教会ともまた少し違う神殿、どんな場所なんだろうな。少し楽しみになってきたな。
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