第126話 休養
ふぅー、やっぱりハーゲンの上は気持ちがいいなぁ。今から何をしようか、まあ、取り敢えずぶらり空の旅をしよう。いつも見てる景色でも視点が変われば別の景色だ、楽しみだな。
ハーゲンには、ゆっくり、のびのびと飛んでもらっている。ハーゲンは本当に役に立っているし、本当に使い倒してるのに、文句も言わずただ俺を乗せてくれる。俺は本当にいい部下を手に入れたもんだ。こうしてゆっくりと空を飛べるのは気持ちの良いもんだ、心も和むな。
うーん、上からの眺めも中々の良い景色だな、息を飲むほどの絶景、と言うわけじゃないが、世界の広さを感じられるし、普通に街並みが綺麗だ。この世界はあり得ないようなバイオームが隣接していたりするが、それも含めてとても綺麗だ。それぞれの街の違いもこうして見ると、より鮮明にわかるな。
始まりの街はやはり、ゲームしたてのプレイヤーが多い為か、元気がある。眩しいほどの輝きとエネルギーを持って、まだ見ぬ土地へと駆けて行く様は見ていてとても気分が良い。といってもそこまで個別に見えるほど目が良いわけではないが。
第二の街は、その元気が活気となり、少しずつ余裕も出てきた感じだよな。第二の街からはNPCも結構目立ってきており、いい感じに調和しているように見える。第三の街は…割愛だな、めんどくさくなってきた。
それにもう一つ南の港街がある。そういえば、随分前にハーゲンに休んでもらう為に南の港町に連れて行ったっけな、あぁ、懐かしいな。でも、最後に休んでもらったのがその時となると、ずっと働かせてたんだな。ごめんな。
という訳で、行くか、港街。ハーゲンが休んでる時は俺は海で軽く泳いだりしておけばいい。よし、決まったらすぐに行こう、もうゆっくり空の旅は終了だ。港街へ出発だ!
到着した、なんか…速すぎた。そもそも強制進化したから速度上がってたのに、魂で強化したからなおさらだな。最初の推進力がやばくて、風圧で飛ばされるかと思ったわ。風圧無効なかったら死んでたな。
ってか早すぎだなー。まあ、いい。よし、ハーゲン、お前は好きな所に行って、魚でも食べたり、すきに飛んだりしてこい! 俺はここの海で適当に泳いでおくからな。
そう言って、二人は同時に飛び立った。一匹は空へ、一人は海へ。
よし、一人になったなー。ここは一つ、思いっきり泳いで見よう、現実で泳いだのがいつか記憶が定かじゃないし、ゲーム内でも前ここにきた時に少し泳いだ程度だろう。
という訳で、飽きるまでこの南国の海で泳ぎまくるぜ。なんだかんだここの海綺麗だよな、現実でこんな綺麗な所あるのか? 外国ならありそうだが、日本じゃもう殆どないだろうな。
「っぷはー!」
やべぇな、海楽しいな、一人でもこんなに楽しいとは思わなかったな。最初は普通にクロールや平泳ぎでらどこまで遠くまで泳げるかとかやって、飽きたら次は、海に潜って綺麗な魚達と戯れながら優雅に泳いでいた。
途中でサメみたいな凶暴そうな魚が来たら、俺が退治してやったから、小魚に大層好かれたぜ。あれは、嬉しかったし、中々できない体験だろうな。
それに、魚も現実にいそうなものから、明らかにモンスターなものまで多種多様過ぎて、どんだけいても飽きなかったな。ただ、泳ぐという動作がしんどくなってきたし、なんか眠くなってきたから、少し今度はダイナミックに行く。
「龍化!」
これは以前にもやったことあるな。これは本当にただ楽しく、気持ちがいい。圧倒的な大きさで圧倒的な速さで泳ぐのがとても気持ちがいい。それに海も広いから楽しい、もし、他の大陸があるなら、そこまで行くことも出来るんだろうな。それもまた今度やりたいな。
今日はもう充分遊んだな。ハーゲンも満足してくれたら良いな。よし、戻るか、そう言って解除すると、
「あ、死んだ。」
これ、前も同じ死に方したよな。俺って成長してないのか。よし、死にまくろ。
ーーースキル【水圧無効】を獲得しました。
【水圧無効】‥水圧によるダメージを無効化する。
「条件を満たしました、スキル【水中適応】を獲得しました。【遊泳】【潜水】【水圧無効】は統合されます。」
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