第122話 門番


 うーん、西は探索が終了したから次は北か。遂に第四の街へと行くわけか、最前線で戦っているプレイヤーは今どこの街に行っているんだろうな。それでもとうとう第四の街か、やはり新しい街にいくのはかなりワクワクするよな。


 今回も前回同様に、ハーゲンは無しでいこうと思う。しっかり楽しみたいからな、あくまでもハーゲンはショートカットとたまにの戦闘要員だ。では、早速いこう。街の門までは勿論ハーゲンで行ってるぞ? ショートカットは大事だぞ。


 よし、門の前に到着した。おっと、衛兵のような門番の方がいらっしゃるぞ、これはどういうことかな? ここから先に行くには、何々だ! みたいなやつかな? んーどうしてもダメって言われたらこそっといけばいいか、行ってみよう。


「止まれぇえい。お前は何者だ、これから何処に向かう、身分を証明するものをみせせろ!」


 う、うわー癖が強いな。これは面倒臭そうなにおいがプンプンするぞ、どうしたもんかな、ここはなんと答えるのが模範解答なんだ? 変なこと言って止められたくもないしな……適当に答えるか。


「私は一介の冒険者でございます。これから新たな境地へ辿り着く為に、次の街へと進む次第であります。身分証明書となると、ギルドカードでよろしいのでしょうか?」


 うん、嘘吐いてないし、とても丁寧な対応が出来たと心から思っている。なかなか上出来ではなかろうか。そう思っていると、門番から、


「ふむ、冒険者か、真面目にして損をしたな。そうか、なら、ギルドカードを見せ、通行料金貨十枚を置いていけ。金貨がないならさっさとうせな、あ、後ランクがE以下の場合は更に金貨十枚追加するように」


 おいおい、こいつ急に態度変わったなおい。ってかEランク以下に対しての扱い酷いな。それに、金貨十枚は絶対くすねるだろこいつ、もともとそんなものないだろうし、最初の十枚は本当かもしれんが後の奴は絶対怪しいだろ。ってか、俺がEランクに見えるのか?


 いや、別に俺自身そんな強者の覇気のようなものを纏っている自覚は一切ないし、強そうに見えるとは微塵も思ってない、思ってないが、この装備は強そうじゃないか? カッコいいし、まあ、詳細をよく見ない限り強いことは分からないし、見た目だけって可能性もあるのか、まあ、いいや取り敢えずギルドカード見せよう。


「私はこういう者ですが、本当に金貨十枚は払わなければならないのですか? まあ、お支払い自体は可能ですが、上の方にも確認を取りましょうか?」


「ん? なんだよ、いるに決まっ……あん、さつ、ギルド…!? ま、まじかよ、それにび、Bランクだと? すっ、すみません! ど、どうぞお通り下さい! も、もうこのようなことは決していたしませんので、ど、どうか報告だけは……ご容赦下さい……」


 うわ、なんだよこの超高速かつ圧倒的な手のひら返しは、音が聞こえてきそうだったわ。まあ、いいや、Bランクって凄いのか? いつの間にかなってからなー。暗殺ギルドも、あまり凄さが実感できないけど、こういうことできるくらいには凄いのかな?


 でも、金貨二十枚っていつもの俺だったら払えなかったぞ? 今回は情報料? のようなものがあったから良かったんだがな。よし、もう忘れよう。こんな奴のこととか考えてても仕方ないしな。俺はさっさと次にいくぞ、次は第四の街そしてその前に通る場所、んーどんなとこなんだろうな。事前情報が全くないから少し不安でもあるぞ、まあ、どうにかなるっしょ。死んだら死んだで、少し死んでからまた進めばいいしな。


 そんなこんなで、街道を進み、舗装すらされていない道を進み、それでも更に進んでいくと、そこに広がっていたのは、死者の国だった。


 いや、死者の国、というと語弊があるかもしれないが、俗にいう、アンデッド地帯って奴だな。そこら中にスケルトンやら、ゴーストやら、ゾンビやらがいる。それに見慣れない気持ち悪い動物のようなものもいる。これは中々だなー、こっち系が苦手な人は発狂もんだな。俺は別に大丈夫だな、お化け屋敷でも、突然驚かさせることにビックリする以外は普通に歩いてるだけだしな。まあ、人によるだろうなこういうもんは。


 ん? 死者の国、アンデッド、そして、スケルトンやらゴーストやら……ということはもしかして交流とか出来るのか、まあ、少し興味が湧いたから試してみるか。


「スカル、ボーン」


 カラカラカラカラッ!

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